「PRODUCE 48」がとても面白かった話

推しが卒業して以降、48Gのことはあまり積極的に追っていませんでしたが、アイドルという存在はやはり好きで、「アイドルマスターKR」というドラマ*1にはまったり、生まれて初めてジャニーズのライブを見に行ったり……と、アイドルについて考えることは多く、
この「PRODUCE 48」についても、「こんな企画があるらしい」と聞いてから気になっていました。

「PRODUCE 48」は、韓国のMnetというケーブルテレビ局(なのかな?)が主催しているオーディション番組のシリーズ第3弾で、48グループと韓国の練習生*2あわせて96人が最終的に「12人」となるデビューの座をかけて競うという番組です。古いですがASAYAN的な…といえば想像つきやすいかもしれません。
基本的な流れは、グループに分けられ、与えられた曲の練習をして、観客の前で披露するということを繰り返し、会場の観客+視聴者の投票によって順位が入れかわり、下位から足切りをされていくというシステム。
話を聞いた時は、すでにデビューしている48Gのメンバーの方が(知名度があるので)有利では? という気もしたのですが、直前で投票は韓国国内からのみにきりかえられたのがちょうどよいバランスになったのではないかなという気がします。

見始めた頃は、半分以上は知らない子だし、韓国の子はすぐ髪型もメイクもかえるし(48Gの特に新しいメンバーの場合は、ファンに覚えてもらいやすいように髪型固定の時期があることが多い)絶対覚えられるわけないからとりあえず推しだけきめよう…なんて思いながら見ていたのに、
5話くらいからだんだん見分けがつきだし、8話くらいでははっきりとみんなの見分けがつくようになって、最終話を見終えて即1話から見直してみると、あ〜最初はこんなだったんだ…!ってさらにグッときてしまいいつの間にか3周も見てしまいました。こういう1人1人が見えてくる瞬間て、世界の解像度が上がったような気持ちになる。そして、やっぱりわたしは群像劇としてのアイドル物語が好きなんだなって思いました。

「ガチ」感のある練習風景

48Gの第1回選抜総選挙は「神様に誓ってガチです」というタイトルでした。
運営の決めた選抜メンバーではなく、ファンの投票によってシングル曲の選抜メンバーを決めよう、というのがそもそもの発端だったはず。でもそのガチって結局(略)という思いもあり、いつの間にか「ガチ」という言葉はあんま好きじゃなくなっていた。

けれど「PRODUCE 48」を見てまず第一に思い出したのはやっぱり「ガチ」という言葉でした。
ただ、それは、視聴者の投票についてではなく、メンバーたちの「練習風景」について。

48Gのメンバーから「ボイトレを受けたことがない」という言葉はよくきいていた。基本的に48Gではチーム、もしくは自分でがんばる、というのが多いんですよね。
けれどこの番組を見て(編集の手がかなり入った番組であることは承知の上ですけども)次の動作をふまえたステップ、振りの揃え方、声の出し方など、教えられたことをぐんぐん吸収していく女の子たちパフォーマンスの向上っぷりには本当にぐっときてしまった。先生方もとっても厳しいけど、練習生たち1人1人を本当によく見ているのがわかる。
そんな環境の違いもあり、序盤は48Gのメンバーの実力不足が浮き彫りになる展開なのだけど、その後の個人評価(課題曲のパフォーマンスを1人1人カメラに撮る)では、日本メンバーの「本番経験の多さ」が評価されたりもしていた。そうやって韓国の練習生と日本の練習生がお互いによいところを吸収しあって進化していく過程がこの番組に感じるガチ感だったのだと思います。
ちらっと思い出したのは「ネ申テレビスペシャル~ブロードウェイへの道~」回。あの時も、本場で受けられるレッスンに触発されていくメンバーの伸びしろを感じたけれど、もしあの頃のメンバー(とくにDIVAになる4人)がこの番組に参加していたらどうだっただろう、なんて考えずにはいられなかった。

チームワークの楽しさ

先述した通り、番組は基本的に、グループに分けられ、与えられた曲の練習をして、観客の前で披露するということを繰り返して進行します(このグループ分けの方法もいろいろと残酷だったりするのですが…)。
そうやってわけられたチームでパフォーマンスをして、評価を受ける。
評価方法もその回によってちょっとずつ違ったりするんだけど、つまりグループとしてのパフォーマンスの完成度を高めることと、グループの中で自分の存在感を出すという両方が必要とされる展開なんですよね。
だからこそメンバーたちのチームワークが必要とされるし、自己主張も必要になる。つまりコミュニケーション能力が必要とされるので、やはり積極的に相手の言語を覚えよう、コミュニケーションを取ろうとしている子が残っていった気がします。
チームに尽くしたのに結果が振るわない子がいたりすると切なくなるけれど、そうやって新たな魅力を発揮したり、練習では先生方に怒られつつも本番を決めて見せる子がいたりするとグッときてしまうし応援したくなる。

例えば、第3話のグループバトル評価で、高評価を叩き出した矢吹奈子ちゃん。HKT加入時から知っているメンバーですがこんなにボーカルに安定感があるのは知らなかったし、何より自分の魅力をすごく理解しているパフォーマンスなのが印象に残りました。
同じくグループバトル評価(第4話)で見せたNMB村瀬紗英ちゃんの「表情」も話題になりましたね。多分韓国風のメイクがすごい似合うのと、カメラに抜かれた瞬間に見てるこっちがドキッとしてしまうような表情を見せてくれるところが話題になり、決してメインのポジションではなかったのにもかかわらず高評価をゲットしました。
他にもAKBの楽曲「ハイテンション」をパフォーマンスする時に「日本人のメンバーがやるより韓国の子がセンターをやるのがいいと思う」と意見を出し、それが功を奏した竹内美宥ちゃんらのクレバーさも印象に残りました。
韓国のメンバーで特に応援してしまったのは、番組を見た方なら「だよね」って感じだと思いますがイ・チェヨンちゃんです。
控えめで優しい子で、途中までずっと自信がない感じなんですよ。でもダンスは格別に上手くて日本人メンバーのサポートもたくさんしてくれる「良いお姉さん」って感じのメンバーなんですが、最後の最後でセンターをやった時の輝きがものすごかった…。からの順位発表がものすごくドラマチックだったのでこれから観る方はぜひ注目してみてください。

でも本当に、見てると頑張ってない子なんて1人もいないのがわかるし、だからこそ見てるうちにみんな応援したくなってしまうんですよね…。「褒められたい、よくやったねって言われたい」なんてモノローグが重なると、もうたまらない気持ちになります。みんな褒めたいよ…。

特に好きだったパフォーマンス

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白シャツで黒(茶?)ロングヘアを下ろしているのがチェヨンちゃんです。腰がすごい! ポニーテールは私の推しの1人イェナちゃん。センターのウンビちゃんはリーダーシップ溢れるお姉ちゃんです。ボブヘアのアン・ユジンちゃんもかわいいし、金髪のコ・ユジンちゃんもかっこいいよ…。(※これはメンバーが振り付けをしたパフォーマンスなので歌は歌ってない)
でも私はチェヨンちゃんの推しカメラを延々と見ている→(https://www.youtube.com/watch?v=4YnXokod5fM


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センターのウォニョンちゃんが最終的に1位になった子なんですが、もう完璧に美少女ですよね…。あとAKBチーム8の本田仁美ちゃんの自信溢れるパフォーマンスも胸熱。あと髪に花をつけてるキム・ドアちゃんは残念ながら最終メンバーには残らなかったんですが、幼い頃の夏帆みたいな美少女なのにコミカルだったりカッコよかったりするパフォーマンスが得意でこの子も必見!でした。

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前回のランキングが低かったために希望楽曲から押し出され「余り物」になってしまったメンバーで結成されたチームなんですが、だからこそ「ここで負けてられるか」という気合の入ったチームワークがとっても感動的でした。チーム内唯一の日本人でまだ韓国語もそんなに喋れないのに、完全にムードメーカーとしてメンバーの心をつかんでいる中西智代梨ちゃんもめちゃくちゃ良かったし、リーダー役になるウンチェちゃんも素敵でした。こういうチームワークの良さを観れるのもプデュの楽しかったところ。(※これもメンバーが振り付けをしたパフォーマンスなので歌は歌ってない)

まとめ

そんなわけで、終盤は「もう誰も落ちるな…」という気持ちで見ていたので辛かったですが、いざ揃った12人を見るとこれはこれでバランスの良いチームにも感じられるので、これからの活動も楽しみにしていきたいと思っています!
私の推しは先述したイ・チェヨンちゃんと、ちょっとまりやぎさんに似てるキム・チェウォンちゃん、それからハスキーボイスが魅力的なチョ・ユリちゃんと明るい性格がキュートなチェ・イェナちゃんです!でもみんな好きです!

*1:amazonプライムで見れます! →  https://www.amazon.co.jp/dp/B06ZYJ5DYC/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_DUHSBbNDNCP29

*2:おそらく事務所に所属しつつデビューを待っている子たち…ということらしい。アイマスKRも「練習生」の物語でした

8月に見た映画

先日、友人が「映画の感想はTwitterより先にfilmarksに書いてるよ」と言っていて、えっそうだったの!? となって遅ればせながらfilmarksを導入してみました。
友人の感想がまとめて読めたりするのは嬉しい。
ただ、スマホで長い文章を書くのが苦手なので、まだどう感想を書いていいのかよくわからないな〜と言う感じで、しばらくはここにメモするのと並行していきたいなと思っています。

と言うわけで、9月も半ばですけど8月に見た映画の振り返りです。

★★★★ とてもよかった
★★★ 好き
★★ うんうん
★ うーん

カメラを止めるな!」★★★

言わずと知れた…にあっという間になってしまった話題作。私はアトロク映画評で取り上げられたのをきっかけに「ネタバレ聞く前に見たいな」と思い見に行きました。
とても面白かった。
【そろそろある程度のネタバレは大丈夫だと思うんですけど以下ちょっと内容に触れます】
全くSFではないんだけど、個人的にはタイムリープものを見る面白さにも通じるところがあると思った作品でした。つまり、観客が「観測者」となってその時起きたことの答え合せをしていく構図の面白さです。この答え合わせについても、観客が気持ちよく「ここはなんかあるな」「ほらやっぱり!」となれる絶妙にさりげなく絶妙にわかりやすいヒント具合なのが良い。
そこにいわゆるshow must go onものの疾走感が加わっているのがこの映画の魅力だなと思いました。
見ながら真っ先に思い出したのは「サマータイムマシン・ブルース」だったので、久しぶりに見直してみたりもした。

オーシャンズ8」★★★★

こういった映画が製作される、というニュースを見たときから楽しみにしていて、撮影のオフショットを見ては期待を募らせる…といった具合にハードルの上りきった状態で初日に見に行ったのですが、これがもう、本当に最高でした。
何しろ私はケイト・ブランシェットが大好きなんですけどもこの作品のケイト様は本当に美しくて、あまりのかっこよさにちょっと感極まって涙が出たくらいです。完全にコンサートで推しのユニット曲を見たテンションです。
そしてもちろん、ケイト・ブランシェットだけではなく、このチームに加わる全員を、それぞれの素敵さで描いているのがこの「オーシャンズ8」だと思います。「主役とそれ以外」という構図ではなく、全員が揃わなければ成功しない作戦を描き、それぞれの個性をきちんと描いているというところ、ヒエラルキーを作らないところが素敵だった。この映画には、いろんな人種、いろんな体型、いろんな年代、いろんなセクシュアリティが当たり前に存在している。これこそ2018年の映画だなと思います。

それが一目でわかるのが、クライマックスのドレスアップシーンですよね! 自分らしく着飾って自信満々に歩いてくる彼女たちの姿が痛快すぎて、あ〜私も私に似合う服が着たいなと思ったりしました。
特に好きだったキャラクターは盗品ディーラーのタミー(サラ・ポールソン)と、女優ダフネ(アン・ハサウェイ)でしょうか。
特にアン・ハサウェイについてはあちこちで言われていると思いますが、彼女のパブリックイメージ(というかハリウッドでのイメージなのかな)を逆手に取ったような役柄で一気に好きになってしまう。終盤のシーンでのあのミニスカートのチャーミングさよ。
それからやはりケイト・ブランシェット演じるルーのファッション……ほんとどれも素敵でした。あとデビー(サンドラ・ブロック)がチームにルーを誘う場面、フォークに突き刺したケーキを差し出して「さあ食いついて」っていうの最高〜〜にセクシーでよかった。
どの女性もみんな違ってそれぞれにキュートでかっこいい最高の映画でした。
見れてよかった!

カラスウリの花

仕事を終えて外に出た瞬間、冬がくる匂いがした。
同時になにか思い出す光景があって、それが消えてしまわないようゆっくりと歩きながら、じっと目をこらす。あれは地元の、毎年夏祭りをやる神社の方面へいく細い道で、紫と墨色が混ざったような空の色を眺めながら「終わっちゃう」と焦っていたのだ。
何が終わるんだっけ。
もう一度深呼吸をして、お腹がすいたとか、牛乳買って帰らなきゃとかの合間に、なにか白いものを見たのだったと閃いた。

あれはカラスウリの花だった。
どういう経緯でのことかは忘れてしまったけれど、小学校のおそらく4、5年生の頃、私はカラスウリの花が開くところをぜひ見たいと思っていた。
そんなわけで、蕾がありそうなところを探したり、教えてもらったりしてチャンスをうかがっていたのだけれど、カラスウリは1日花なので、まるめたティッシュのような、萎れた後のものは見つけられても、なかなか開いている花を見ることはできずにいた。

初めて見たのは、Mちゃんちからの帰り道だった。
そういえば、あの神社への細い道は4年の時に天候して来て仲良くなったMちゃんの家がある方向で、

夕暮れの、粒子の荒い光の中に、ぼうっと白く浮かんでいる。花弁の周りに白い糸を張り巡らせたような花で、きれいだけど少し怖い。
まだ咲ききってはいなかったので、Mちゃんか、もしくはお母さんを呼んで来て見せたいなと思った。
けれど、辺りは刻一刻と暗くなっていき、帰りが遅くなると怒られる、という焦りもあった。
早くしなきゃと思うのに、カラスウリの花はまだ完全には開かない。それどころか暗くてよく見えなくなってきて、

今日思い出したのはその時の「終わっちゃう」だった。
早くしなきゃと、もうちょっとが入り混じるような、夏が終わる匂いだ。

「気がする」はなし

おばけとか、占いとか、それに類する話題が嫌いなわけではないけれど、自分にとって「根拠があるかどうか」というのはかなり大事な判断基準になっている。
なのに、私は「願掛け」も好きなのだ。例えば高校3年生のとき、大学合格の「願掛け」にポテトチップス断ちをしたくらいで、
「これ今日終わらせないと明日大変なことになる気がする」と思ったら終わらせないと落ち着かないし、「今日は頑張ったのでいいことがある気がする」というのも日常茶飯事。晩御飯を作ったくらいで「気がする」けれど、すぐに忘れるので損した気持ちにもならない。
それらが願掛けの定義にあてはまるかどうかはさておき、つまり私はそんな具合に根拠のない予感を信じるタイプでもある。

最近、「はてなダイアリー」終了のお知らせがあった。

はてなでは現在、「はてなダイアリー」と「はてなブログ」という2つのブログサービスを提供しておりますが、はてなダイアリーを2019年春をめどに終了し、はてなブログに統合いたします。
http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20180830/blog_unify

私も2015年からこのはてなブログに移行して、基本的にはここを、それまでのダイアリーの延長線上として使っている。
その頃からたまに、もしもダイアリーとブログを別々に更新していったら、世界線が分岐するのでは、なんて考えることがあった。
文章というのは書いた本人を含め、観測するひとのものである。
例えば、東京がゾンビ化した人々で溢れた世界という設定で日記を書き始めたら、それを本気にする人は少ないだろう。けれど「今月から海外で暮らします!」とかであれば身近な人以外は「そうなんだ」と思うかもしれないし、「今夜はサンマを焼いた」と「今夜はカレーだった」という2つの日記があれば、世界にはサンマを焼いたichinicsとカレーを食べたichinicsが誕生してもおかしくはない。

それってなんだか面白い。と同時に、いざそれをやってみることを想像するとなんだか恐ろしくもなる。
タイムパラドックスの法則、とはちょっと違う(と思う)けれど、並行の状態を続けていくうちに、いつかは真実味のない側の自分が消滅してしまいそうだからだ。
それ以前に、更新を続けるには、どちらにより真実味をもたせたいかという自分の希望も入るだろうし、そのために実際にサンマを焼いたり海外で暮らしたりして、結果的に世界線が1本に収束していくという可能性もある。

なんてことをぼんやり考えていて、とはいえ嘘をつくのは「何か悪いことが起きる気がする」ので、どうせ世界線を分岐させるなら、ゾンビくらいのほら話がいいなと、思ったりしている。

原付免許を取った日記

きっかけはたぶん3つあって、一つはイベントごとに参加する際、「顔写真付き身分証明書」の提示を求められ、もしなければこれとあれを……という少々めんどくさいやりとりが発生する機会が多いこと。もう一つはクロスバイクを買って以降、ママチャリのときにはなかった「この場合どう動くのが正解なんだ?」と車道上で戸惑うことが増えたこと。
そして、ネットバンク(だったかな?)に登録しようかなと考えていたときに、免許証orマイナンバーカードが必要で登録できなかったことがあり、免許証がないだけで私は口座すら作れないのかー! と悔しい気持ちになったのが最終的な後押しになって、1日でとれることで有名な原付免許を取ろうと決めたのでした。
それが昨年末のことで、年始に住民票も取りにゆき、テキストで勉強もして、これでいつでもとりにいけるぞ! と意気込んでいたはずなのに、髑髏城で有給休暇を使い果たして4月の有給復活まで待つことになり、年度はじめで少々忙しくしているうちに夏になってしまった。
正直先送りにしすぎだった。
けれど、ついに先週の盆休み期間、ついに実現することができました。


当日、試験は8時半から受付とあったので、早起きをして最寄りの免許センターに向かう。まるでこの30年くらい時間がとまっているかのような建物で、掲示物のほとんどが昭和、の部分に紙を貼って平成と書き直しているんじゃないかと思うようなものだった。
来ている人々も多種多様だった。半分は車で仕事をしているんだろうなという感じのおじさんで、右腕だけ濃く日焼けしていたりする人も多い。派手だけどどこか幼さを感じる男の子たちと、スマホを片手に退屈そうにしている女の子たち。職業不詳な中年男女もわりといてきっと私もその一部だった。

まずは学科試験だ。マークシートのテストなんて久しぶりで楽しかったし、予習したところがバッチリ出る(当たり前だけど)ので、回答をし終えた時点で大丈夫だなと思えたので気楽だった。
私が受けた回に原付免許をとりにきていたのは24人。最初に学科試験を受けた後、2/3ほどになった合格者はぞろぞろと歩いて写真撮影をされ(いきなり写真をとるのでびっくりした)免許が出来上がる間に実習を受ける…という流れになっていた。
つまり、学科では落ちても、実習で落ちることはないのだ。それってすごいことじゃないですか? いいんですか? 私全然乗れる気がしないですけど? と思いつつ実習へ向かう。
予想通り、まずは原付をスタンドから降ろすことができず、さらにスタンドを立てることもできず、軽い原付に交換してもらうの儀があった。そこで完全に目をつけられ「○番さん大丈夫?」とことあるごとに声をかけられることになったのだけれど、その手厚いサポートのおかげでどうにか実習もクリアし、晴れて私は免許(ただし原付)のある女にクラスチェンジをしたのでした。

原付免許をとるけど原付に乗るつもりはない、と言うと、大抵「なんで?」と聞かれるし、顔写真付身分証明書が欲しいならマイナンバーカードでいいじゃんとは何度も言われた。
けれど、原付をとるぞ、と決めて以降、一番よかったのはやはり交通標識や道路に描かれた線やその色の意味を知ることができたことだと思う。
現状、自転車に乗る前に交通ルールを学ぶ機会というのはあまりない。けれど自転車は基本車道を走るものであるとなると、車やバイクがどう動くか予測できない状態で乗るのは非常に怖い。
ーーというわけで、原付の免許をとるという目標が交通ルールを学ぶ機会になったという意味では無駄じゃなかったかな、と思っている。