長い春

四季のある国に生まれ育ったくせに、私は長らく春と秋を同じジャンルに入れ続けていた。両者の違いは、これから暑くなるか寒くなるか程度であると、そう思い込むことで秋物のコートを「春コート」として着用し続けていたのだ。 けれど実際のところ、色も素材…

ちはやふる 結び

一昨年公開された「上の句」「下の句」がとてもよかったので完結作であるところの「結び」も楽しみにしていました。なかなかタイミングが合わずに見にいくのが随分遅くなってしまったけれど、本当に見に行けてよかったし、改めて映画「ちはやふる」は、原作…

日記

火曜日の朝、陸上自衛隊のイラク日報が話題になっていた。朝から通勤電車で、twitterで流れてきた日誌を読みふける。誰かがピックアップしたものばかり読んだせいというのもあるが、戦地における「日常」が極めて個人的な視線を通して綴られているというギャ…

捨てるの苦手人間がメルカリを使ってみた日記

なんとなく周囲の人は皆使っているような気がするメルカリ、自分はといえば、数年前に探し物があって登録をしたものの、目当てのものは他で見つけることができたので使ったことがないまま放置、という状態でした。時折届く「保存した検索条件にマッチする新…

3月の記憶

毎年思うことではあるけれど1月は長いのに、2月というのは一瞬だ。単純に日数が少ないということだけではなくて、きっと正月気分が抜けきった頃にやってくる現実が2月ということなのかもしれない。そこから年度末の3月、町中に新しい人があふれる4月を経て…

「髑髏城の七人 Season月 下弦の月」にはまった3か月の思い出

私が下弦の月に転がり落ちたのは2017年12月2日の昼公演、初めての「髑髏城の七人」どころか、初めての劇団☆新感線舞台でした。 ジューダスプリースト「Heavy Duty/Defenders of the Faith」が発車ベルのような音で途切れ、座席がまわりはじめて体にgがかかっ…

スリー・ビルボード

「スリービルボード」を見たのは夜行バスに乗る直前だった。 仕事を終えた金曜日の夜、20時頃から映画を見て、23時のバスに乗る。そんな日に見るのにうってつけの映画だったような気がする。 物語は、ミズーリ州のある田舎町を舞台に描かれる。娘を殺された…

「髑髏城の七人 Season月 上弦の月」感想まとめ

ついに2月がきてしまいました。 2月は初志貫徹で下弦に捧げると決めたため(&有休が足りなくなりそうなため…)、多分上弦にはもう行くことができません…。なので下弦の自分内最終回を見る前に、私が見た限りの上弦の感想をまとめておきたいと思います。(っ…

「勝手にふるえてろ」/アンモナイトを抱えて沈む

監督:大九明子 《内容に触れています》なんとなく、好きな映画だろうなと思って見に行って、やっぱり好きだったわって笑いながら見てて、でもちょっと背中がざわざわして、 主人公、ヨシカが「あぁぁぁ」ってなる場面でびゃって涙が出て以降、しゃくりあげ…

「髑髏城の七人 Season月 下弦の月」12月頭と後半&年始の比較と感想

髑髏城です。まだ書くのかという感じですが、私のTwitter TLにはこれから初見の方もいるので、ネタバレっぽくなりそうなことはこっちに書こうと思いました。あってよかったはてなブログ。というわけで、2018年も3日昼の下弦&7日昼の上弦を経て、ますます沼…

2017年に見た映画ベスト10!

今年映画館で見た映画は多分43本。絶対に好きだろうなと思いつつタイミングが合わずに見逃してしまった映画もたくさんあったにもかかわらず、この43本の中に今年ベストにあげたい作品もたくさんあって、本当に豊作の年だったと思います。 それから個人的には…

髑髏城の七人「上弦の月」と「下弦の月」は両方見るとさらに楽しい

下弦の月にはまってしまった、という話を先日書いたのですが、その勢いでTwiitterで感想を探して読んでいると、どうやら上弦の月と下弦の月とでは、同じ脚本なのに見え方が全然違うらしい、ということが伝わってきて気になってしまい、ついに見に行ってきま…

『髑髏城の七人 Season月 下弦の月』にはまった話

現在上演中の舞台『髑髏城の七人 Season月 下弦の月』を見に行きました。 好きな俳優さんが何人も出るのでとても楽しみにしていて、チケットも複数枚とっていました。 とはいえ、私はこれまで劇団☆新感線の舞台はこれまで見たことがなく、映画館に行くとよく…

ベイビー・ドライバー

監督:エドガー・ライト イヤホンをして音楽をかける。それが主人公の天才的ドライブテクニックを起動するスイッチになる――という設定のクライムアクション映画。とっても面白かったです…! 映画をみてまず思い出したのは10代の頃のこと。1枚のアルバムを繰…

アイドルに浪費した日々

私が宮澤佐江ちゃんを応援しているという話はこの日記にも幾度か書いてきましたが、佐江ちゃんのアイドル卒業から1年以上が経ったことと、私の浪費対象がちょっと変化したこと、そして最近出た「浪費図鑑」という本が面白かったのもあり(同人誌版も面白かっ…

「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」

2009年に至上最年少の19歳で英国ロイヤルバレエ団のプリンシパルとなり、2012年に電撃退団をした、ウクライナ出身のバレエダンサー、セルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリーを見ました。恥ずかしながら、私はセルゲイ・ポルーニンのことをほとんど知りませ…

梟書茶房に行ってきました

池袋に新しくオープンした「本と珈琲 梟書茶房」に行ってきました。 神楽坂のかもめブックスとドトールコーヒーのコラボレーションというだけで最高な組み合わせだし、個人的にも池袋に気に入りの喫茶店が欲しかったので開店のニュースを聞いてからずっと楽…

ミュージカル「ピーターパン」を見ました!

ピーターパンの舞台が定期的に行われている、というのは何となく知っていたものの、実際に見たのは今回が初めて。なんと1981年から毎年上演されているとのことで、会場には歴代ピーター役のパネルも飾られていました。最近では高畑充希さんが6年間ピーター役…

インク瓶

子どもの頃、祖父の書斎にあったインク瓶に憧れていた。 とはいえ、あれがインク瓶だった、と気付いたのはある程度大人になってからだ。 それは蓋付きのうつわと、ペンさしが1枚の板の上に貼付けられているというガラス細工で、台の裏にはえんじ色のフェルト…

夜明け告げるルーのうた

湯浅政明監督作品が2月連続公開されるなんてまさに盆と正月が一度にやってきたような2017年。 なのにタイミングがあわず見にいけてなかったのですが、アヌシー国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞(おめでとうございます…!)した凱旋上映ということ…

光陰矢のごとし

「光陰矢の如し」という言葉を習った時の、手元の様子を今も覚えている。「少年老いやすく学なりがたし/一寸の光陰軽んずべからず」という言葉も確か一緒に習った。先生は声の高い、「が」の発音を「んが」と発音することにこだわっていますと、最初の授業…

 「メッセージ」

監督:ドゥニ・ビルヌーブテッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』の映画化作品。 とても楽しみにしていて見に行ったのですが、本当に、とても好きな映画でした。原作は以前読んでいたのですけどほとんど忘れている*1状態で見に行ったのですが、これ…

夜は短し歩けよ乙女

 湯浅監督の、なんと「マインド・ゲーム」以来の劇場長編映画。しかもあの「四畳半神話大系」のスタッフ再集結と聞いてすごく楽しみにしていました。原作はかなり前に読んだけど詳細は忘れている…、という映画を見に行くのにはちょうどよい記憶具合だ…

「お嬢さん」

監督:パク・チャヌク 監督が原作「茨の城」(サラ・ウォーターズ)を映画化するにあたって、 「もちろん原作の物語も大好きだったけれど、私がいち読者として、いち視聴者として、こういう物語がみたいな、こういう結末になったらいいのに、というストーリ…

脳内リンク

新しいものをみて、これはあれに似ている、なんて思うことは見聞きするものが増えるごと(多くの場合は年を取るごと)に増えていくものだと思う。 私がそれを書くのは、基本的には、これも好きな人はあれも好きなのではという便乗おすすめをしたい気持ちなの…

2月

2月は逃げ月といいますが、その名にふさわしい、あっという間の2月だった。 バレンタインの催事に行ったのだって1月だし、それを食べ終えたの一昨日くらいだし、狐につままれたような気持ちで3月に切り替わったカレンダーを見る。 2月。 今年こそは手帳日記…

「LA LA LAND」

監督:デミアン・チャゼル ライアン・ゴズリングのファンでミュージカル映画も好き、というわけですごく楽しみにしていた「LA LA LAND」、公開初日だった金曜日に見に行ってきました。 アカデミー賞歴代最多タイとなる14部門ノミネートという追い風もあって…

天気の話題

今年の1月の東京は比較的暖かかったので、自宅でエアコンを使うこともほとんどなく、机に向かっているときだけ電気ストーブをつけたるくらいでじゅうぶん足りていた。 寒いのが苦手な自分は外出時のウルトラライトダウン(ユニクロ)が命綱なのだけど、今年…

楽しかった話

先日、初めて同人誌というものを作ったのですけどとても楽しかった。 もっとはやくやってみたらよかったなとも思ったけど、そういう方向に熱が向かなかったのでそれは仕方がない。ものごとって色々タイミングですよね。以下少し覚え書きを書いておきたいなと…

あみちゃん

私にはあみちゃん(仮)という同じ年の幼馴染がいる。 家は隣で、幼稚園は違ったけれど小学校は一緒だったから、毎朝あみちゃん家の黒い門をくぐり、「あーみーちゃん、がっこいこ」とあの定番の節で呼びに行くのがお決まりだった。 けれど小学3年生でクラス…