父さんの富士山

地元の駅がまだ古い駅舎だった頃、改札を通った突き当たりにある窓からは、線路越しに富士山を見ることができた。 晴れた日にはよく、まだ自動ではなかった改札をくぐった先に父の背中を見かけたものだ(駅までは別々に行っていた)。「何してるの」と声をか…

 頭の中の次元

「ヒックとドラゴン」を見る前、3D眼鏡をかけるのが嫌で、眼鏡かければ3D、かけなければ普通の映像に見えればいいのになー、でも裸眼で3Dに見える映像とかのが先に開発されたりして、なんてことを考えていた。 でも裸眼で3Dに見えるって、それは言ってみれば…

 昔話/タイムカプセル

小学校の卒業間近、裏門のそばにクラスの皆でタイムカプセルを埋めた。ガチャガチャのカプセルに、手紙と、友だちとおそろいで買ったキーホルダーを入れたのをよく覚えている。 その場所は池を作る工事のために掘り返されてしまった、というのはもうずっと前…

 小さい人のお話

先日、映画館で、ジブリの新作「借り暮らしのアリエッティ」の予告を見た。まず目を惹くのは、ここに行ってみたい、って思うような魅力的な風景で、 そこでアリエッティが洗濯バサミを髪留めにし、ティッシュを引き出しているところを見てわくわくすると同時…

 「STAND ALONE COMPLEX」

自分が意識的に考え事をするとき、そのほとんどは自問自答のような気がする。私は今、って書くうちに「それはもう今じゃなくなっていくじゃないですかー」、とか言ってる自分がいて、たまにめんどくさい。 何かに腹が立った、ということを言葉にしにくいのも…

 「運命のひとひねり」

ディランのアルバムでいちばん思い入れがあるのは「血の轍」、というのは、たぶんこの日記にも何度か書いたことがある。 昔、すごくへこんでいたときに繰り返し聴いたアルバムで…、みたいな話をしたら笑われたけど、確かに、今となっては、そういう年頃が私…

 昔話/ロイヤルホストのパーコー麺

19歳の誕生日だった。Fと2人で遊ぶのはその日がはじめてで、とりあえずお昼に待ち合わせしたはいいものの、目的地はなく、ぶらぶら歩いているうちにおなかがすいて、ちょうど通りかかったロイヤルホストに入ることにしたんだった。 ファミレスでロイホがいち…

 文体って何だ

文章のリズム、とか文体のことを考えるとき、よく思い出すのは、以前、古川日出男さんがトークショーで「横書きで書きながら、別のブラウザで縦書きに変換しつつ書く」と話していたことだ。 そこまでこだわるということは、きっと明確に目指しているリズムと…

 夢/鴨川

眠っている間に見た夢のはなしほど支離滅裂なことってない…と以前言われたことがあって、それはその相手なりの遠まわし(でもないか)な、「夢のはなしはもうたくさんだ」という意思表示だったのだと思う。けれど、私は今でも見た夢のはなしをするのが好きだ…

 2001年3月のセガサターン

Sがセガサターンをくれるというので、荻窪までとりに行った。Sの家に行くのは2回目だったけれど、大通りを左にまっすぐ行ってトンカツ屋(牛丼だったかもしれない)の角を右、という説明どおりに路地を入ると、すぐにSのオレンジのバイクが見つかった。 「…

 カナダのニンジン

スーパーで売ってた人参がきれいだったので買った。千切りにして塩もみしてごま油と七味かけて食べようと思う。 私が生で食べる人参を好きになったのは、中学生の頃、カナダに短期留学していたときのことで、ホームステイ先の家の夫妻は、自宅では常に自家製…

 顔をなくしたニンニ

小さい頃、よくスライドでムーミンを見た。カセットテープかけて、タイミングごとに絵を切り替えていくやつ。たぶん壁に映してたんだろうけど、うちのどこにそんな大きな壁があったのか今となってはよくわからない。 親の仕事の関係でもらったものだったせい…

 運命と偶然/「(500)日のサマー」2回目

運命と偶然ってどう違うのかなーとか考えてた。「(500)日のサマー」、2回目は妹と見に行って、見終わった後に「これは結局運命はないって話なの?」って聞かれたからだ。 いやいや違うでしょ、なんて話しながら、でもそこが一番切ないんだよなあとも思った…

 南極物語に行きたかった話

先日も感想を書いた「flat」という漫画には、ひとりで家にいることが多くて、つい我慢をしてしまう「手のかからない」子どもであるところの「秋くん」が登場する。この秋くんがめずらしく懐いた相手が、主人公である平介なのだけど、 先日でた新刊を読みなが…

 灯油ストーブと靴

家では私が子どもの頃から灯油ストーブを使っていたのだけど、夜中に灯油が切れた時の、あのちょっとした絶望感たらなかった。面倒くさい、けど、今やらなかったら明日の朝必ず後悔するわけで、入れるべきかしぬべきか、とかなんとかいいながらスイッチを切…

 香港のお粥

空港に着いたのは夜で、荷物を受け取ってロビーに出ると、すでに半面は照明が落ちていた。街に出ればどうにかなるだろう、とたかをくくっていた私の楽観は、その寂しい光景を前にたやすくへし折られ、次の瞬間には案内所でホテルの空きをたずねていた。 久し…

 三角コーナー

朝の電車では、ドア脇の三角コーナーにおさまって本を読んでいることが多い。 三角コーナーとは、椅子との間のしきりと、ドア脇の細い手すりとを結ぶ三点でできた、座席の次に人気のあるコーナーだ(たぶん)。 参考 … http://portal.nifty.com/special05/10…

 昔話/偽名

小学生女子といえば恋話ですけども(ってほどではないけども)、そういえば私が小学生の頃は、女の子同士で恋話をするために好きな男の子を偽名で呼ぶってのが流行、というか当然みたいになっていて、今でもそういうのあるかはわかんないけど、とにかく私は…

 昔話/座敷わらし

「座敷わらしの宿」全焼 「全員無事だったのはわらしのおかげかも」 http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/091005/dst0910051228008-n1.htm ニュースとは全然関係ないんですけど、座敷わらしで思い出した父親の話。 → まだ私が子どもの頃のある日、仕…

 昔話/注射とウシガエル

先日、健康診断で採血をされている最中、ふと小学生の頃の予防接種で、稲田さん(仮)が脱走したしたことを思い出した。 → たぶん2、3年生の頃だったと思う。インフルエンザだか日本脳炎だか、とにかく「予防接種」のある日で、そでのまくりやすい服を着てく…

 好きな言葉、嫌いな言葉

閉店後、レジ締めを待つあいだに店内であれこれ喋っていたときの感じは、なんだか部活みたいだった。仕事中はわりと動きっぱなしで、シャッター閉めた後になんとなく、本番が終わったような雰囲気になるのが好きだった。 その時間帯に喋っていたことで特によ…

 Oさん

先日、偶然調べていたことで以前お世話になった人の名前に行き当たった。 Oさんとは、ある仕事の仲介を頼んだことで知り合った。初めて会った時に入った少し高級な居酒屋で、いきなり幕の内弁当を頼んでいたのをよく思い出す。きちんとご飯を食べ終わってか…

 よくかんがえること

気がつくとロシアンルーレットで勝つ方法とか、手錠の鍵がなくなってしまったときの対処法とかダイイングメッセージの残し方などを考えてたりするのはきっと私だけじゃないと思うのですが、これほど実生活で役にたたなそうな懸案事項もないよなと思います。 …

 昔話/流行語

単純に考えて、見聞きするものが多くなればなるほど、何かに似ていると連想するものも増えるだろうし、同じような状況に陥ったときに人が言うことなんてそれほど多くのパターンがあるわけじゃないのかもしれないけれど、例えば「そんなの関係ない」なんて一…

 例えば

あー夏だなと思うのは、例えば雨上がりの夕焼けと、大根おろしと、蚊取線香のにおい、網戸をひっかく猫の爪を指先ではがしながら、足を伸ばして扇風機の向きを変える、カコカコカコって感触の気持ち良さは、掃除機のコードうまくしまえたときのズジャッて感…

 私のライフハック

ライフハックって言葉はいつからか聞くようになって、なんとなくはわかるけどどういう意味なんだろうなーと思っていたのですが、今日はじめて「Lifehack 意味」とかで検索してみたら、わりと新しい言葉なんだなってことと、「仕事術」ぽい意味で使われてるっ…

 昔話/背中

子どもの頃、相手に背中を向けて立って、後ろ向きに倒れるっていうゲームをやったことがある。もちろん、このとき相手は倒れてくる人を支えるというのが一応のルールになっていた。 初めてやったのは小学生の頃で、相手は母さんだったのだけど、なんのためら…

 じゃがいもの煮物

近所の八百屋で買ったじゃがいもがすばらしくおいしかったので、ジャガイモばっかりの煮物を作ろうと思いつき、台所に立っていたのはもう21時すぎ。皮の薄い新じゃがだから、丁寧に洗えば皮のままでもいいかもな、とか、考えてたところに電話が鳴って、出る…

 高校生

駅前のセブンで待ち合わせて立ち読み。それ買うならそのページコピーしたい、とかやってるうちに朝礼のベルぎりぎり。人気もまばらな昇降口から3階まで走って、朝からぐったりしてた。 リーダーのT先生はいつもオーダーメイドのパンタロンスーツを着てて、私…

 母さんまめ知識

最近、新型インフルエンザ関係でマスクが売り切れてるとききました。 ちょうど年始に買った使い捨てマスクがまだ100枚近くあるので、なんだかすごく珍しいものを持ってる気分ですけども、間違えて子ども用買っちゃったのでだいぶ小さくてあまり使い物になり…

 アスパラの肉巻き

解凍した薄切り肉(もちろん豚)をひろげて、アスパラや千切りゴボウを巻いていく。多少ぶかっこうでも焼いてしまえばはがれることはないので、大雑把にぐるぐる巻きにした後、小麦粉をはたきながらふと、そういえば昔、アスパラの肉巻きの夢をみたなぁとい…

 昔話/ロールパン

幼い頃、よくロールパンを食べた。 近所に子どもたちが集まる公民館のようなところがあって、入り口に並べられた大きなダンボールいっぱいに入ったロールパンを、各自一袋づつもらえることになっていたのだった。 私はよく、幼馴染のAちゃんやHちゃんと一緒…

 光の加減

大人になって失ったものといえば、あきらめの悪さなんじゃないかなと思っていて、それは自分が大事にできるもの、手の届く範囲においておけるものの少なさに、気づき始めたということでもある、…なんていうのはきれい事で、要するに、忘れることが少しうまく…

 少し「づつ」

いつまで経っても少しずつ、の「ずつ」に慣れない。慣れないっていうか、なんで「づつ」じゃないんだろうってよく思う。日本語何年も使ってて、こんな事言ってるのはまずいと思うけど、でも「ずつ」ってなんだ。たまに間違って「すこしづつ」と打ってしまっ…

 ロシア

エイプリルフールだし、なにかエイプリルフールらしい嘘を言ってみたいなと思うのだけど、思いつくのはただの空想だったり、思いついてる時点で結構ほんとだったりする。 たとえば、今朝はロシアに行く事を考えていたのだった。船に乗っていて、あたり一面、…

 さようなら謎肉

先日、カップヌードルの、あの肉がチャーシューになるという話を読みました。 『カップヌードル』の具材強化〜ミンチ肉が角切りチャーシューに http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090325-00000020-oric-ent カップヌードルの「あの肉」が特に好きだった私…

 伝言ダイヤルの向こう側

自転車を駐輪場にとめる際、その番号を見ると自動的に語呂合わせをしてしまう。語呂合わせをしたからといって、自転車を引き取る頃には忘れてしまうので、清算のためにもう一度番号を確認し、ついまた語呂合わせをしている。 ちなみに今日は54で「ごしごし」…

 銀シャリの王子様

先日、友達と妹と、もしあたらしいGSが出るとしたら(あえて何かはかきませんが…)(そして出る予定もありませんが…)どんなキャラがいいかなー! なんて妄想のお花畑を繰り広げてきたんだけど、やっぱり眼鏡でチョッキの国語の先生(図書部顧問)は欠かせな…

 歯磨きの視界

寝る前には洗面所へ行き、歯ブラシを左手に、右手に歯磨き粉のチューブを持ち、そのフタを開いて左手の歯ブラシのブラシ部分に歯磨き粉を、あんまりたくさんの歯磨き粉をつけてはいけませんよ、といういつかどこかで聞いた忠告を反芻しながら5ミリ程度だして…

 家族写真

小学校の高学年くらいから、家族写真に写るのが苦手になった。父さんは出かける予定の時間になってからトイレにこもり、その後洗車をした後に、持ち物チェックをはじめて…と、お決まりの行程を経なければ出かけられないような人だったので(なので後に目標時…

 昔話/漫画部

私の小学生の頃の夢は漫画家になることだった。文房具屋で上質紙を買い、(いま考えればただの上質紙なのだけど、当時は上等な紙だと思っていた)友人のMとKと3人でよく集まってマンガを書いた。1話書き終わるごとに、漫画雑誌風にまとめたりもしていて、表…

 不自由な計算

自分が数字を見るときのイメージというか癖については、前にも書いたことがあるのだけど*1、せっかくお絵かきツールができたことだし(いまさらだけど)もう一度書いてみたいと思います。 → 癖、といっても単純なもので、ひとけたの数字を見る時には、5以下…

 落ちる。

私を見る人々の反応のほとんどは “驚き” で、最初のうちは「気にしないでくださいね」と声をかけるようにしていたが、余計驚かせることになるのでいつしかやめてしまった。 怒る人もいたけれど、彼らの声が届くより先に私はそこからいなくなったし、彼らもま…

 空から先生が降ってくる

【降臨賞】空から女の子が降ってくるオリジナルの創作小説・漫画を募集します。 条件は「空から女の子が降ってくること」です。要約すると「空から女の子が降ってくる」としか言いようのない話であれば、それ以外の点は自由です。 http://q.hatena.ne.jp/123…

 昔話/サンタクロース

まだ私がなんとなくサンタさんの存在を信じてた頃、たぶん小学一年生のときだったと思うけれど、サンタさんからのプレゼントのコートに、手書きの手紙がついていたことがあった。 「サンタさんじゃよ。冬は寒いので外に行くときはこれを着なさい。お母さんの…

 UNCLE

ところで伯父さんといえば、UNCLE、UNCLEといえばUNKLEですけど、UNKLEといえば思い出すのは片山(仮名)君のことだったりする。 あれは確か大学の実習中で、私たちは夏の暑いさなか、機材を持って大学のそばの公園をうろついていた。片山君は長唄をやってい…

 伯父のメモ

母方の伯父は、もう十年以上も日々の詳細な記録をとっているのだという。 先日、お見舞いで訪れた祖父の病室で、なにやらメモをとりだした伯父に、誰かがそれは何かと聞いた。すると伯父は、なんでもないことのように、しかしちょっと自慢げに「その日に食べ…

 繰り返し

この日記を書きはじめたばかりの頃、ある人の日記に「自分が書きたいのは日記で、だからここに書いていることは感想文もふくめ、ぜんぶ日記だ」ということが書かれていたのを、今でもよく思い出す。 それは内容の問題というより、自分のために書いてる、とい…

 FAX

FAXってものをまだ見たことがなかったとき、紙が転送される機械ができたと聞いて、とうとうどこでもドアが完成したんだと思った。そして、紙が可能なら、やがて人間だって可能になるだろうと思った。 子どものころ読んだ絵本に、人間の転送実験中にハエが入…

 泣くことについて

わたしの涙腺はかなりゆるい。人前ではそれほど泣かないけれど、それは人がいることによって気が紛れているからで、1人でいるときの目水は、汗や空腹のときに鳴るおなかの音、よりはちょっとはましだけど、しゃっくりくらいにはコントロールしにくいものだ…