日記

12月の第2週

夏ぶりの友人に会った。 前に会ったのは生まれて初めてノンアルビールをお代わりした日だった。 つまりアルコール提供が完全に止まっていた期間のことで、今思い出してもなんだか白昼夢のようだ。閉店時間も早かったため、店を出た後に行く場所もなく、ハー…

大豆ざんまい

袋状の油揚げに納豆を詰めて焼いたものが好きだ。フライパンでじりじりと焼き、最後に醤油をまわしかけた時の香ばしい匂いは最高に食欲をそそる。なんという料理なのか知らないし、実家では食べたことはないので、たぶん居酒屋などで食べて覚えたのだろう。 …

散歩と2冊の小説

先日、1人で昭和記念公園に行った。 バードウォッチング用のエリアがあるらしいと知ってからずっと行きたいと思っていたのだけれど、新型コロナ感染症の影響で長らく閉まっていて、それが先日ようやく開いたのだ。魔法瓶にコーヒーをいれ、鳥も見たいので双…

季節のカード

近頃、日に日に日が短くなっていることを感じる。 秋冬は、食べ物がおいしいという点で楽しみな季節でもあるのに、日が短くなってくるともうそれだけで気持ちが焦る。冷たさの混じった空気に、ふといつかの文化祭や黄色いイチョウ並木を思い出し、今年ももう…

ペットカメラを買った

ペットカメラを買った。 ずっと気になっていたものの、文鳥を飼い始めてからはずっと在宅時間のが多く、まだいらないか、なんて思っていたのだけれど、先日Amazonのギフト券をいただいたのをきっかけに思い切って買うことにした。今のところ、買ってよかった…

小林賢太郎さんのこと

先日、外で昼食をとっていると、近くの席に座っていた大学生くらいの2人組が「出会いがない」と嘆くのが耳に入った。久しぶりの外食で、人の会話が聞こえてくることすら嬉しく、ついつい聞き耳を立ててしまう。 「授業もないし、イベントもないし」「バイト…

2021年7月のこと

梅雨があけた途端、そういえば夏ってこんな感じだったと目が覚めた。 7月初旬に「まあまだ涼しいし、日焼け防止の観点からも羽織りものがあった方が良いのでは?」みたいな気持ちで買った長袖のシャツが届いたものの、とてもじゃないけれど袖を通す気分には…

1年

引っ越してから、よく地図を見るようになった。ここ数年は駅を中心とした生活をしていたけれど、今回は長く住むつもりでいるし、ここを自分の地元にするつもりで、気になる場所をブックマークしては、散歩がてら訪れてみたりする。土地勘と愛着は比例しない…

「あのこは貴族」を見て思い出したあのこ

「あのこは貴族」という映画を見た。 現代ものではなかなか描かれることのない、でも確実にある「層」との間に生まれた縁がテーマになっている映画で、新鮮だった。そして私は映画を見ながら、登場人物の彼女たちと同じ年頃に出会った、Mちゃんのことを思い…

土鍋を買った

土鍋を買った。米を炊く用の丸い土鍋だ。 土鍋については、これまでも何度か検討しては、でも自分の生活に組み込むのはちょっと難しそうだな、と見送っていた。 しかし昨年あたりからどうも炊飯器の調子が悪く(もう10年近く使っているので仕方ない)、引越…

年末年始日記

2020年は12月25日が仕事納めだった。 クリスマスだし、その日は在宅勤務だったので、仕事を終えたらロイヤルホストでステーキを食べようと決め、昼も外出はせずに諸々の仕事を片付け、年賀状を書いたりもして業務を終えた。 外に出ると、意外にも人が多くて…

「死ぬまでに行きたい海」とカチューシャの記憶

岸本佐知子さんのエッセイ集「死ぬまでに行きたい海」を昨年末に読んだ。 自分も知っている場所の話がでてきくるのも楽しいし、行ったことのない場所も、気になっていた場所である率が高く(YRP野比や海芝浦など)、さらに田舎の思い出(丹波篠山)などは、…

Kさんのこと

「わたしに無害なひと」という短編集を読んだ。 いつかを共にして今は遠い、胸のうちに引っかかったままの存在を思い起こさせるような物語が詰まっていて、1話目から引き込まれた。似たような体験をしたわけでもないのに、自分の記憶にも馴染んでいくようで…

12月が来た

これからいったいどうなるんだろう、と思い続けているうちになんと12月までやってきた。今年はずっと、判断保留というか、階段の踊り場で下るか上るか迷い続けていたような気がする。実際は、引越しだとか小鳥を飼うとか、生活にも様々な変化はあったわけだ…

日常

7月の終盤、日毎に都内の感染者が増えていく中、職場が新たな対策をする様子もないことにやきもきしていたけれど、都内の感染者数が300人を超えたところで唐突に、再び隔日の勤務体制に戻ることが決定した。ソイ(文鳥)がいるおかげで私の生活リズムは整っ…

小鳥について

先週、6月16日から、小鳥を飼い始めた。 種類は桜文鳥で、名前はソイ、フルネームはソイソース。最初は一番好きな調味料であるところのおしょうゆという名前にしようかなと思っていたのだけど、呼びにくいのでソイになった。 初日はケージの隅で固まっていた…

在宅勤務の終わりと皿洗い

4月後半から続いていた、隔日の在宅勤務がついに終わってしまう。 元々片付けが苦手なたちなのだけど、引っ越してからはずっと隔日在宅勤務生活であったため、こまめに部屋の掃除をする時間があり(気分転換にうろうろしたくなる)、私にしてはなかなか整頓…

オンライン母の日

母の日に何をあげようかときょうだいで相談しながら、こんな時なので当日はオンラインで顔見て話せたらいいねという話になり、 父母と同居している下の弟が色々取り計らってくれたおかげで無事、当日は昼前に皆で画面越しに会うことになった。正月は妹が夫方…

変わったこと

引越しをして、台所が広くなったおかげで久しぶりに自炊が楽しい。作り置きのおかずを片付けると、これで次のものが作れるぞ、と思うくらいには楽しい。 今は週の半分が在宅勤務なので、仕事の合間に料理をするのが良い気分転換にもなっていて、大して運動も…

Rちゃんの洗濯機

先日、友人の家に遊びに行った時……と言っても、新型コロナウイルスの騒ぎが起こる前のことなので、先日というには昔過ぎるように感じるのだけど、 ともかくその時に、かつて使っていた貰い物の冷蔵庫に名前をつけていた、という話を聞いた。そこから、初めて…

引越し日記

GWは引っ越しをしていました。 前日 引っ越し業者さんから届いた段ボール25枚に荷物を詰め終わり、微妙にあと2、3枚は必要だな…という状況になってスーパーにもらいに行くことにした。そのついでに、あの感動的においしいお弁当の食べ納めをした。段ボールを…

未来

家で過ごすのは好きだけど、先々の予定が見通せないという状態は落ち着かない。 1週間後ですらどうなっているのかわからない現状と、しかし時間はあるのだから何か有意義なことをしたい……という漠然とした焦りとの狭間で、コーヒーを飲んだり、Netflixを眺…

天気の良い在宅勤務

ばたばたと隔日出勤の実施が決まり、金曜日にはじめて在宅勤務をすることになった。 始業時と終業時に連絡を入れるだけなのだけれど、勝手の違うことをするせいか少し緊張して、普段より少し早く目が覚める。 休日は9〜10時頃まで寝ていることが多いので、仕…

カーテン、電車、ドトール

月曜日、カーテンを注文していた先から、当面休業になるので店舗受け取りができなくなったという連絡をもらった。ありがたいことに無償で発送に切り替えてくれるようなので、カーテンなしの生活を送ることにはならなそうだけど、まだまだ決めなければならな…

2020年春のダンボール

・ベッドを買い替えたい ・洗濯機を買い替えたい ・ルンバを買いたい などなどの現実的な欲求とか、たまたまみかけた、こんなのが家にあったらいいなあと思うような家具(しかし今の部屋には置けない)だったりとか、長く住むつもりで部屋を整えたいなとか、…

箱根読書日記

今年の秋頃はとても忙しかったので、「遠くへ行きたい」欲が募ったある朝、目前に人参をぶら下げるべく旅行サイトを開いて宿を予約した。昨年の今頃も、不意に思い立って湯河原に行ったのだけど、今年は箱根に宿をとった。 遠くへ行きたいというのは、自分に…

とりつく島

たまに、とりつく島がない、と言われることがある。 この日記のことだ。わかるような気もするけれど、どうやったら島を作れるのかがよくわからない。 仮に私が流されていたとしたら、どのような島にとりつきたいだろう。それ以前に、私は泳ぎが得意ではない…

432番

健康診断が苦手だ。 更衣室で防御力の低い館内着に着替えなくてはいけないのも嫌だし、緊張する検査が多いので単純に気後れするし、ピンク色の待合室で、揃いの館内着を着た人々とぼんやり呼ばれるのを待っていると、なんだか自分が自分でなくなっていくよう…

スパンコール

たまに、どこに着ていくあてもない、なんだか派手な服が欲しくなる。 普段はどちらかといえば着心地重視な服装をしているのだけど、時折どうしても欲しくなるそのような服は、どう考えても普段着には適さない。つい先日も花柄の刺繍が施された燕尾ジャケット…

水色

とても頼りにしている人が遠くに越してしまうことがわかり、それがとてもショックで、近頃少し宙に浮いた気分でいる。 私はショックなことがあるとすぐ、重石を結びつけるみたいにして、それを沈める方法を探しがちだ。思い出すのは大学生の頃、新しく買った…