SLAM DUNK(その2/6〜11巻)

スラムダンク (6) (ジャンプ・コミックス)

スラムダンク (6) (ジャンプ・コミックス)

陵南との練習試合がよく考えたら3巻から続いてるということにびっくりな6巻。流川VS桜木のライバル対決が、#45、#46でパスを出し合う(不本意)ことにより盛り上がる。そして自分の入れた点での逆転。その瞬間の無邪気な顔がいい。そしてそこを突かれるってのがまたドラマです。
ここらへんの花道の感情はやっぱり水戸君が解説していて「ようやく賭けるものがみつかった」と、まあ格好よすぎるこれはオモテ。その後の宮城との邂逅 → 仲良くなる展開での台詞が(7巻p23)ウラというか本音として描かれている段階、
ところで7−8巻は試合のない珍しい巻なのですが、例の体育館喧嘩シーンがある名場面めじろ押しの巻でもある。まず、最初の喧嘩で宮城のフットワークの軽さを見せつける。これまで重量感のある描写が多かったので、宮城のとび蹴りが鮮烈に映る。いままで無表情で掴めなかった流川のキャラクターも、ここで印象づけられるような気がする。以外と短気とか。
でもやはり8巻の『大人になれよ三井』からはじまる回想シーン、そして安西先生登場。三井にとっての安西先生は、形は違えど花道にとってのハルコ、宮城にとってのアヤコなわけで、自分の根幹になっている人だからこそ、この場面は泣ける。
そしてIH予選、あの見開き大コマでのベストメンバーの絵がまたいい。ここでの立ち位置、表情なんかは、それぞれのキャラクターがきちんと生きているからこそ、隅々まで動いていることの象徴だ思う。
ここで桜木ははじめてフリースローを経験するのだけど、まだ入らない。そして繰り返される退場によって、課題が見えてくる。
そして迎える翔陽戦。宮城の活躍、そしてリバウンド王として開花する花道。皆これでもかと褒める。ゴリも、宮城も褒めるのがうまい。花道は褒められて育つ子なのだなーというのがつくづく思う。
三井が自らの役割に気付く場面はそれと対照的で、自分で自分に課題を与え、プライドによって鼓舞される。周囲の期待に応えられたと感じてはじめて交わす赤木とのハイタッチが泣けます。そしてp128の安西先生の言葉。これもあの回想シーンがあるからこそだ。でもそれをしつこく見せるのではなく、「退場したくない」ことによって動きがかたくなっていた花道の解放によって翔陽戦いは幕を閉じる。『オレ…なんか上手くなってきた…』
スラムダンク (11) (ジャンプ・コミックス)

スラムダンク (11) (ジャンプ・コミックス)