Jam Films 2


Jam Films 2 [DVD]

Jam Films 2 [DVD]

1の時は喜び勇んで映画館まで見にいっていたのに、見逃していた2。
もちろんラーメンズ目当てで借りてきました。
本当に最近はアディクトな感じですが、まあおいといて、大学時代は映像を勉強していたこともあって(思いだすと狂い死にしそうなくらい青かったが、もしかしたらそれは今もかもしれない)こういう企画はとても好きです。

でもなんで映画館に行かなかったか、という理由を思いだすと、丹下さん以外の監督を良く知らなかったということと、ミュージックビデオの監督ばかり、という印象の中、クリップを撮っている監督の「映画」にあまり期待できなかったからでした。

最近で言えばキャシャ−ンの紀里谷和明とか、とにかく映像がきれいでテンポが良い、つまり編集力で勝負! というところのある監督と物語のある30分作品というのを繋げたところで、どうなんだろう? と生意気なことを、実は今でも思っています。
それはクリップの監督がだめだと言うことではなくて、(音主体の)映像作品と映画はまったくの別物だと思うからです。
逆に前回のJam Filmsでは映画(ドラマなど、物語作品を撮っているという意味で)の監督が15分という短い時間の制約に挑戦していましたが、こちらでも物語を生かしきれない監督がいたように感じました。

でもそれがJam Filmsの企画なんだな、ということがこの2を見て良く分かり、そして非常に興味深い企画であることを改めて実感できました。

そして2の感想はというと、
「机上の空論」「FASTENER」の2作品は期待以上に面白かった。
 *****
「机上の空論」では、やはり小林賢太郎節というか、非常にコンパクトにまとめられ、かつ練られた脚本がものを言っていると言う感じがしました。また、あきらかに他作品と違うのは役者の演技の統一感でした。
これは監督や脚本が演じる人をよく理解しているからのように思います。片桐さんがとても輝いていました。

「負ける気がしねぇ!」

って良い台詞だし素敵です。
 *****
そしてさすが丹下紘希監督、「FASTENER」は始めのワンカットからもう丹下さんのカメラだということが分かるくらい、オリジナリティのある人だとおもいます。
とくに人の「顔」を撮るのがうまいなと思います。
脚本も、特典映像の舞台挨拶で嶋田久作さんが言っていたように「夢の中のできごと」の様で、とても魅力的でした。
まさに「ゆりかごから墓場まで」。
 *****
「clean room」が扱っていたのはファスナーと同じ題材だと思いますが、これはちょっと・・・。始めから落ちが見えて、それを否定しておいてその否定についての説明なくやっぱりその落ちか、という感じで不完全燃焼でした。韓英恵ちゃんはかわいくて好きなんだけど、役者の演技もちょっとばらばらな印象でした。
途中で最後はあのクリーンルームが実は核シェルターで外の世界はもうないの、という落ちかと思ったんだけど、確か藤子不二雄SF短編集にそんな話があったはず。
 *****
もうひとつ、バナナマンがでていた「HOOPS MEN SOUL」も、ちょっとテンポが悪かったかなあ。あの特撮系の主人公&彼女とその他の演技温度差が気になった。IWGPみたいだし。


いろいろ書いてしまいましたが、今も3が公開中だし、このまま年一回くらいのペースで続けて欲しい企画だと思いました。面白い新人監督とかを見つける切欠になれば嬉しいな。