ばくぜんとした梅の思い出

ichinics2005-03-15

暫く前から近所の梅が咲いていて、今日見たらほぼ満開だった。
いつも通る道なので、あの梅のいい匂いを嗅ぐと、寒い冬もそろそろ終わりだなと思う。けど花見の時期も案外寒いよなとも思う。例年通りそんなことを考えつつ、今日は高校時代に「梅祭り」に行った時のことを思いだした。
私の通っていた高校の近くに梅がたくさんあることで有名な公園があり、そこでは毎年「梅祭り」をやっている。通学途中のポスターなどでそのお祭りについては知っていても、平日は学校だし、休日にわざわざそのなにもない駅に行くのももったいない。でも行ってみたいよね、ということになって、ある日友人と示し合わせて学校を早退して行ってみることにした。
その公園に行ったのは一度きりのことなので記憶があいまいなのだが、なんだか不思議な公園だと思ったのは覚えている。たしかに梅はたくさん咲いているんだけど、小山がたくさんあって、先が見通せない。紅梅と白梅の混じり方も適当としか思えない感じで、そもそも梅の木も柵にかこわれるでもなく乱立している感じだった。おじいさんやらおばあさんやらが木陰から突然あらわれるところが、昔話っぽいね、と話しつつ、テントで配っていた甘酒も飲んだ。「受験だから授業ないんです」とか適当なことも言った気がする。
盆栽の展示会なんかもひやかした後、後ろから吹いてくる花びらとともに駅まで歩いて電車にのると、いつもは気付かなかったけどうっすらとその公園の頭のあたりが車窓からも見えた。
種類はわからないけどほとんどの梅の枝は空を向いていて、匂いも、色もこんなに遠くからみてもくっきりしてるし、梅ってなんていうか前向きな感じだよね、と言い合った。だからといって私たちには早退したことが後ろめたかったりすることはなくて、空いている電車内の昼下がりの感じとかを満喫して、マックかなんかでお茶してから帰った。
今思えばああいうのがまさに「学生」って感じだ。
あの公園にもう一度行ってみるってのもなんかセンチで嫌なので、桜の時期になったら会社早退して花見に行こうかな。あったかい昼間にみたいし。