ビフォア・サンセット

リチャード・リンクレイター監督。
私は見ていないのですが、この映画は『恋人たちの距離』の続編だそうです。
前作で運命の一夜を共にした男女が9年後に再び巡り会い、ひたすら会話をするというのが主な内容。
冒頭でイーサン・ホーク演じるアメリカ人小説家がパリの書店でインタビューを受けている最中に、ジュリー・デルビー演じる女性が現れ、帰りの飛行機に乗るまでの時間を共に過ごすのですが、2人はすぐに9年前の出来事に触れることが出来ず、冗談めかして笑いあい、探りあいつつ、その「思い出」のまわりをぐるぐるまわり続ける。この辺のもどかしさはとてもよく伝わってきて、前作を見ていない私にも楽しめました。
今の自分を構成する大切な「記憶」だからこそ、うかつにその記憶と現在を繋げてしまうことはできない。それによって、何かを壊してしまうのが怖い、という感覚は理解出来る。
ただ、イーサン・ホークの顔がどうしてもにやけているように見えてしまう。もちろん思い出の女性に出会ってにやけてしまう気持ちは分かるのですが、なにを言ってもちょっとうさん臭い。
ともかく、その「思い出」が描かれていたはずの前作をみていればもっと楽しめたのかなと思うと残念です。これだけ見ると、ちょっとインパクトに欠けるような気がしました。とても良く出来た脚本だったので、2人芝居とかで見た方が面白いかなと思った。

しかしそれよりも問題だったのが、私は「エタ−ナル・サンシャイン」を見るつもりでこの映画を見ていたこと。いやーほんと単純に間違えただけなんですけど、いつまでたってもケイト・ウィンスレットが出てこないことでやっと違う映画だと気がついた。題名が紛らわしかったんだな。サンしかあってないけど。