亀は意外と速く泳ぐ

ichinics2005-07-14
三木聡監督
水曜日は映画の日、というわけで見てきました。
オープニングで登場する小田扉のぱらぱら漫画が良くて、もっと見てたいと思いながら本編開始。上野樹里さんのモノローグにのせて、のんびりした雰囲気でお話が進行します。このイントロから、奥様スパイになるところまでの流れがとても良かった。目だだない、そこそこ、平凡、などのキーワードを身にまといつつ、非日常へ足を踏み入れて行く過程にはわくわくする。入れ替わり立ち代わり三木監督らしい、脱力してしまうような笑いポイントが挟み込まれるのも楽しい。
1番良かったのは要潤さん演じる「かつての憧れの先輩」かな。登場場面はそんなに多くないんだけど、目つきとか喋り方とかが、危険な感じで、強烈だった。要さんはすごい。
他にも、とても豪華なキャストがめじろ押しなだけあって、印象に残るシーンはたくさんあったのだけど、だからこそちょっとストーリーが断片的のようにも感じた。短いスパンの中に盛り上がる(笑える)ところを入れて行くと言う感じが繰り返されているような気がして、そっちに気をとられていると本筋を追うことを忘れてしまう。劇場で見るよりも、家でのんびり見た方が雰囲気にはあっているような気もします。
ところで主役の上野樹里さんはとてもかわいい。パーマも似合う。ただ、気になったのが、彼女の住む部屋が60年代風の、「イン・ザ・プール」での市川実和子さんの部屋みたいな感じなんだけど、彼女の「野暮ったい」という設定と、幾つか出てくる衣装と部屋のイメージがまとまってなかったのがちょっと気になりました。