Golden Balls Live8月4日19:00公演

ichinics2005-08-05

『Rahmens presents「Golden Balls Live」』
◆作・演出:小林賢太郎
◆出演:片桐仁小林賢太郎久ヶ沢徹西田征史野間口徹

〈この夏、ラーメンズが増える。2005年夏、ラーメンズ新プロジェクト始動。〉
というのが最初にチラシを見た時のコピーだったと思うのですが、とにかく「この夏、ラーメンズが増える」という予告に裏切られることは無かったライブでした。楽しかった。とっても!
ネタばれありますので畳みます。


キャストの名前を見たときに、なんとなく小林賢太郎プロデュース公演に近いものを想像していたのですが、ちゃんと「ラーメンズプレゼンツ」と冠しているだけあって、ラーメンズのライブとは違うのだけど、ラーメンズのコント形態に近いものをやろうとしてるプロジェクトなんだな、という点が一番意外で、嬉しかった点でもありました。
冒頭は、アルゴリズムのようなショートコント。新鮮な第一印象のまま、2本目、3本目とラーメンズのコントみたいな、でも複数いる! というわくわくが高まったところで一旦暗転。
そしてオープニング映像が流れたんですが、これがすごく格好良かった。
再び照明がつくと、今度はシチュエーションコント(なんてジャンルがあるのかはわからないけど、ちょっと物語的なコント)。
最初のは「ライブ君の席」を思わせるような?社会人不条理コント。それから片桐さん&野間口さんのヨガコント。というか形態模写のような不思議空間。
そこから今度は小林さんと久ケ沢さんと西田さんのサバイバルコント。小林さんと久ケ沢さんの張り合いが面白かった。西田さんの突っ込みは軽やかで気持ち良い。
ここでまた映像が流れて、次は今回一番の大作コント。就職浪人生とある家族の一幕を交錯させる手腕は小林さんならではという感じがしました。ラーメンズのミニマルなセットとは違う、装置による演出もあって、奥行きのあるコントだったなぁと思います。
そしてまた映像。「大人になってわかったこと」というテーマを重ねながら、さいごほろっとさせられる。
ラストは久ケ沢さんVS4人という構成のコント。ちょっと違うけど、例えば「タカシと父さん」のシリーズでひたすら笑いに堪える役を久ケ沢さんがやっているという印象だった。
そして再び冒頭の3本を1本にまとめたかのような(アルゴリズムっぽいのプラス殺陣みたいな)ショートコントがあっておしまい。
全てのコントがちゃんとキーワードでリンクしているのもにくいなぁーとか思う。それからいままでのラーメンズコントでの名台詞みたいなのがあちこちで聞けたのも面白かった。
カーテンコールでの楽しそうな5人(野間口さんはなんだか緊張してるみたいに見えたけど)がとても印象に残った。「こういうの、またやるんで!」って小林さんが言ってたけど、ほんと楽しそうだったなぁ。

今回特に面白かった点

とりあえず覚え書き
冒頭3本の中の1本、「愚問」は4人から浴びせかけられる愚問を片桐さんが浪人のようにばっさり斬っていくのが面白かった。「パンはパンでも食べられないフライパンはなーんだ」っていう片桐さんの隙のなさ。こういうのは片桐さんだからこそだと思う。
それから「ゴリラ人事部長」のコントでは「こいつ昨日エヴァンゲリオン見たんだよ」というふりから「これはなに?…涙?」って台詞が繰り返されるのが面白かった。「鼻だよっ」っていう片桐さんも。片桐さんはいきいきしてる。
今回一番印象に残った「就職浪人そして家族の風景」のようなコントでは、片桐さんがトランプをばらまいちゃって小林さんと西田さんの笑いがとまらない中、暗がりの中でオールレーズンを食べてる片桐さん、というアクシデントも面白かったけど、やっぱり1番の見どころは家族全員の告白タイムだった。特に西田さんの「俺東京行く」っていうタイミングが絶妙だった。それから、冒頭の就職浪人のシーンでは、おかあさん的なキーワードがすべてウチのお母さん的なのも面白かった。こういうキーワードを見つけるのがほんとに上手いな。コントの後に流れる映像では、「大人になって解ったこと。大人になっても解らないことが結構あるということ」なんてほろっとする台詞があって、このコントがラストでもよかったのになぁと思った。

まとめ

ラーメンズ本公演の時のような、研ぎすまされたコント、というよりは仲良さそうに、楽しそうに、わいわいと演じている場面が印象に残りました。二人でしか出来ないことがあるように、5人だからこそ出来るコントもあるんだっていう、その可能性を小林さんは掘り下げて行こうとしているのかな、と思いました。
とにかく、ほんとに楽しい時間をありがとうございます、と言いたい気分だ。