ZAZEN BOYSライブ/8月28日@日比谷野外音楽堂

サマソニでの初見ライブの余韻さめやらぬままにMATSURI SESSIONに行って参りました。
16:30頃、妹と片耳づつでMDを聴きながら日比谷に向い、落ち合った友人と3人でビールを飲みながら会場を待つ。夕暮れの日比谷公園は涼しくて丁度よい空気。17時過ぎに会場に入って、Tシャツなんぞ買ってみたりしてから立ち位置を決めてひたすらわくわくする。
17:45、TELEVISION「MARQUEE MOON」がかかる中、ベースのヒナタさんのソロで幕開け。わー! と浮かれてる間にどんどん曲が繰り広げられていきまして、もうどの曲を聴いたか(というより、どの曲を聴いてないのか)をあんまり覚えていません。1st,2ndの曲はそれぞれ半分以上やってた気がするけど、知らない曲もあった気がします。でもなんか、曲単位というよりは、全体の流れを感じるライブだった。
2回しかライブを見てないくせに、こんなこと書くのもおこがましいのですが、なんというか、ザゼンボーイズのライブには、まるでミステリ小説を読むような、ジェットコースターに乗っているような、そんなハラハラさせられる楽しみがあります。ページをめくるたびに何が起こるかわからなくて、感動した直後に笑えたりもする。そんな、急展開の連続にひたすら翻弄されるがままになるのがまた気持ち良い。
途中(たぶん「USODARAKE」だったと思うんだけど*1ツェッペリンの「移民の歌」のリフみたいな即興がありつつ、もうここはどこだろうってとこまで来ておいて、いつのまにかもとの路に戻っている、という展開があって、こういうのはもう、技術とかじゃなく、あの舞台上にいる4人の奇蹟的な意思の疎通があってこそなんだろうなと思った。「COLD BEAT」などを聴いてると、特にそう思います。まさに真剣勝負。息を飲んで耳をすませつつも、身体を動かさずにはいられないです。
ロックンロールってのは、本来「衝動」だと思うんですよ。そしてZAZEN BOYSのライブを見ていると、出来上がった曲を演奏するっていうことでなくて、むしろ衝動によって生まれた曲を録音し、こうしてライブで解凍して見せてもらっているような気がするわけです。
ライブならではの即興的なMCや曲の構成は心地よい酩酊感を感じさせるものでもあるんだけど、そこには常にササクレだった感情の起伏みたいなものがある。「くりかえされる諸行無常」という言葉が何度も繰り返されるように、これはつまり、その核にある衝動をいろんなかたちで外に出す音楽で、それはとても生きた音楽であるということだ、なんて思ったりしました。
「日比谷のビルの谷間にぽっかりとあいたこの場所で」ということを繰り返し向井さんは語っていましたが、垣間見せる祭り囃子のような音色は、野音の雰囲気にとても馴染んでいたなぁ。ぐちゃぐちゃになりながら見るのも楽しいけど、こういう雰囲気もいいなぁと思いました。
アンコールは「KIMOCHI」。ギターの吉兼さんだけを残して、皆が退場していきました。気持ち良い夕闇のギターソロ。きれいな閉幕。いやー楽しかった!

もうほんと、充分堪能したはずなのですが、むちゃくちゃ楽しすぎて、いますぐにでも次のライブが見たい気持ちでいっぱい。

追記

そういえば、向井さんがMCでこれからレコーディングに入る、と言ってました。来年1月くらいには、というような感じで。これもめちゃくちゃ楽しみです。
昨日からいろんな方のレポを見てまわって余韻に浸っております。
特にセットリスト、参考になります。感謝。→(http://d.hatena.ne.jp/./NEET3000/20050828)

*1:CDで聴いてみたら「Hard Liquor」でした。(12/28追記)