- 作者: やまだないと
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2005/05
- メディア: 単行本
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やまだないとさんの作品には、ちょっと苦手なのもあるんだけども*1、このナイトー君の話とか「ビューティフル・ワールド」とかは、かなり好きです。やまだないとさんはほんと、ひとりぼっちな感じとか、自分勝手なモラトリアムぶりとかを魅力的に描くのがうまい。しかも、台詞の切れ味も鋭くて、こう、ものを作ったりする人には辛いような言葉もちらほら。自意識っていうのはやっかいなものですね。
今回、特に気に入ったのが、「不機嫌猫」という犬的対猫的の話。「あんたと犬的には繋がりたくない」と言われてしまいながらも、ラストに「まあこのバカ犬もそのうち老いぼれて、猫の域に達するであろうし……」という台詞がなんか、金井美恵子さんぽい。
でもうちの飼い猫は、年をとって、だんだんと犬の域に達してきた気がする。どんどん人懐っこくなる。それがなんだか、猫になってしまったようで少し哀しかったりするんだから、私も勝手なもんだ。
*1:まあその理由は私にはちょっとエロすぎるということが殆どですけど