KENTARO KOBAYASHI SOLO CONTE LIVE 「ポツネン」
脚本/演出/美術/出演:小林賢太郎
@下北沢本多劇場
昨日初日を迎えたばかりの「ポツネン」を見て来ました。仕事終えて、大急ぎで下北沢へ。いったいどんなものを見せてもらえるのか、いろいろ想像してしまったりもしていたんだけど、良い意味で、やはり小林さんは小林さんなんだなと思ったりしました。正攻法で、真正面から、ラーメンズならラーメンズで出来る最大限をやる小林さんだからこその、ソロでやるべきことの最大限、精一杯という感じが伝わってきた。ゴールデンボールズでもラーメンズ公演でも、どこか他の人よりは「余裕」を感じさせる存在である小林さんの精一杯な感じを、少し新鮮に感じたりしつつ、とにかく「面白かった」と声を大にして言いたいライブだった。
「今、ここ」がある不思議、「言葉」の不思議、笑いと感動が共存する嬉しさ、それからライブならではの驚きに満ちた舞台だったと思います。
そしてこの舞台が回数を重ねてどう変化していくのか、すごく楽しみ。
【以下ネタバレ含みます】
覚え書きなので順序など正しくないかもだけどとりあえず。
- 「ジョン」
- 冒頭は向こうにいる「何か」と話しているコントだったので、つい向こう側に片桐さんがいるんじゃないかと思えてしまった。オチなんかはまさに小林賢太郎節な感じ。「椿」の時間電話をちょっと思いだした。
ここでオープニング映像。ペンで書かれたヨーロッパの精密画みたいな感じ。
- 「電話」
- これも電話の向こうにいる「何か」を突っ込み役にまわして繰り広げる独り舞台。でも冒頭のものより、少し視点がシフトしているところがうまいなと思う。
- 「アナグラムの穴/1」
- テーブルコントというのはこれだったのね。と思う。ちょっと「お笑い漫画道場」みたいな感じ。そしてラストは歌もの。
- 「スポーツ」
- 野球?サッカー?ボクシング?え、相撲?とマイムだけで様々な裏切りを見せてくれる。
- 「Hand mime」
- これ凄かったなぁ。映像と音楽に同化させた手だけのマイムなんだけど、ちょっとピタゴラスイッチっぽくもあり、古いディズニーアニメっぽい展開もあり、スーパーマリオブラザーズみたいなとこもある。2Dから3Dに移り変わったりするとこもすごい。映像はNAMIKIBAYASHI謹製。
- 「生まれ変わり」
- 冒頭で小林さんが台詞を間違えてしまうという一面があったけれども、1人で5パターンのキャラクタ(正確には7役だけど)をやるコント。ほんと演技がうまい人だなというのを再確認。ホコサキさんが懐かしかった。だったらいいのに部も。
- 「アナグラムの穴/2」
- 今度は漫画道場ではなくてアナグラムて作った文に対して台詞でぼける版。ラスト2つはただただ感心してしまった。
- 「ポツネン」
- 壁に貼った図形で絵を描きながらのコント。最初暗闇から始まったのだけど、たぶんこの人は哲学がすごく好きなんだろうなと思った。『「いまここ」に印をつけないと、どこにいるのかわからない』という台詞が印象に残る。そして大きく広げた風呂敷で包みこまれるようなラストはさすが。
客電が点いた後も拍手はなり止まず、出てきた小林さんは「ありがとうございます」とだけ行って下がっていった。大ラスでの台詞を間違えたのを気にしてるのかなとか少し思う。確かに重要な台詞だったけれども、お客さんたちが皆満足そうな顔をしていたのは、そのへんをファンだからといって大目に見ているのではなく、ほんと純粋に楽しかったからなのだというのが、あの拍手の音で伝わってるだろうとも思った。
楽しい時間をありがとうございます。
片桐さんからの柚子の木。そういえば会場にあったピンバッジのガチャガチャもやってみた。椿がでました、連れはアリス。