エリザベスタウン

キャメロン・クロウ監督作品
長谷川町蔵さんのレビュー(id:machizo3000:20051113)を読んで興味をもち、丁度友達に誘われたので見に行って来ました。
うーーーん、これはどうなんだろう? 長谷川町蔵さんの言葉通り通り、まんまと当惑してしまったということは私は「男泣き」に泣ける系の女子なのかもしれないけど、まあそこはおいておいて、この映画は……オーランド・ブルームさんが主役じゃないほうがよかったのではないかと思います。オーランド・ブルームさんは「トロイ」での情けないけど憎めない王子みたいな役ははまると思うんだけど、この映画では確かに情けないんだけど、周囲の人たちが彼をどう捉えてるのかちょっとわかり辛くて居心地悪かった。例えば「ロンゲストナイト」でのトニー・レオンが悪役なはずなのに、どうしても何か事情があるんじゃないのって思えてしまうくらい善人顔なのに近いかも。
あと、ストーリーも「仕事で大失敗して自殺しようと決めたら、父親が亡くなったと報告をうけて田舎へ戻る」という筋と「飛行機の中で出会った積極的な女の子とのラブストーリー」が、なんだかうまく噛み合ってないように感じた。それはなんでかっていうと、オーランドさん演じる主人公が父親に対して抱いている感情がイマイチ把握できないことで、なんか全体的に不謹慎感が漂っているからだと思う。そんで一番悩んでるのは結局仕事の大失敗についてだったりするんだけど、そこでのプライドの喪失ってのも、いまいち続いてなくて、感情の爆発めいたものがない。彼は結局何一つ自分でアクションを起こさないし選ばない。
父親の死を巡るストーリーの方では、あきらかにスーザン・サランドン演じる母親のほうが印象に残る。あの演説のシーンは良かったなぁ。そしてそれに対する反応は主人公よりその妹の方が胸に迫る。
これが、キルスティン・ダンスト演じる女の子とのラブストーリーだけならうまくまとまる映画のような気もする。ハッピーマニアみたいな感じで、押しまくるキルスティンはかわいい。でも、彼女がなんでドリューを好きになるのかは、正直理解できないんだけど、むくわれない男の子を白馬のお姫様が助けにきてくれた話だと思えば納得かも。
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エリザベスタウンの人々を見ていて思ったのは、もしこのストーリーをクストリッツァが監督してたら「黒猫・白猫」みたいになったかもなとか、そんなことでした。違うけど。
あと主人公が車で一人旅するところで、「ここにJeff Buckleyのお墓がある」って台詞があるのに映らなくてもやもやした。というかそこで一番哀しくなった。