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 オールド・ボーイ

監督:パク・チャヌク 主演:チェ・ミンシク
2004年の(タランティーノによる)カンヌ映画祭グランプリを受賞した作品。クムジャさんの勢いでちょっと感想を書いときたくなった。

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]

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平凡なサラリーマンであるオ・デスはある日突然わけもわからぬまま監禁され、そのまま15年を過ごすことになる。そして解放された彼は、「何故」という謎と戦うことになるというストーリー。
韓国での伝統的な儒教の教えは確か性善説を元にしていたのだと記憶しているけれど、だからこそ、彼は監禁されている間に自らの犯した罪を書き綴ることでそれを悔い改め、救われようとするのかもしれない。これは、クムジャさんが刑務所の中キリスト教性悪説)を信仰していたのと重なっている。
解放後の復讐心に突き動かされるオ・デスは、自らの正義を信じているからこそ強い。しかし、その復讐とは別に自らのおかした過ちを知った後のオ・デスは見る影もないほどに弱い。

「私は獣にも劣る人間ですが、それでも生きる権利はあるんじゃないでしょうか」

冒頭にも出てくるこの台詞とともに、オ・デスは最後まで救われようともがく。反対に、自らの罪を復讐に変えてしまう弱さを持ったもう1人の主人公は、生への欲望すら失しなってしまう。
自分の中に悪があることを知ることは恐ろしい。ただ、それを償いたいという気持ちは、決して美徳のみから生まれるものではない。だからこそ、クムジャさんで描かれたラストシーンには救いがあると思った。

公開当時、日本の漫画が原作ということで話題になっていたけれど、私は未読です。だからどのくらい原作に沿った内容なのかはわからないけれど、核心部分の設定には少々無理があって、エンタテインメントとしてのサスペンスと、監督が描こうとしているテーマとの間にも隔たりを感じる。なんとなく映画というよりは演劇に向いている脚本のような気もするけど、それはまあおいておくとして、それでもとても面白い作品だと思う。生理的に受け付けないシーンや目を開けてられないシーンもあったけど、ラストまで引っ張られていく力を感じる。