シティ・オブ・ゴッド DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組) [DVD]
- 出版社/メーカー: アスミック
- 発売日: 2003/12/21
- メディア: DVD
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やっと見る。すごい映画でした。
60年代のブラジル、リオデジャネイロ近郊にあるスラム街「シティ・オブ・ゴッド」でのストリート・チルドレンの物語。
まず、これが実話をもとにした作品であるということに驚かされるし、日々殺人が行われる環境の凄まじさと少年たちの陽気さとの対比が鮮烈過ぎてくらくらする。
現実は圧倒的なもので、その環境の中にいて、外の世界の倫理を実践することはとても困難だ。しかし写真家を夢見てそこを出て行くブスカベも、その中で起きた事すべてを否定している訳ではないことが、映画を見ていればわかる。
一番印象に残ったのはやはりリトル・ゼとベネの最後のやりとりだ。予言者からの忠告を破ったリトル・ゼの行く末を見て思うのは、人に認められたいと願うなら人を受け入れなければいけないという当たり前のことだった。そして、誰かを恨むことを復讐という形にしてしまえば、自分もまた復讐される側になるという摂理。聖者であったはずのマネのように。
そういう当たり前のことを見る為には、ブスカベがカメラを構えるように、立ち止まって見ることが必要なんだろう。立ち止まったら殺されてしまうかもしれないけど。
様々な相反するものが渾然一体となった映画の中で、冒頭での逃げて行く鶏のように、はっきりと生きることを目指して走る彼らは美しいとも思った。
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なんとなくガルシア・マルケスの文章を思いだした。特にあの干上がったカラカスについてのルポ。