あのころ、白く溶けてく―安永知澄短編集 (ビームコミックス)
- 作者: 安永知澄
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2004/12
- メディア: コミック
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それで、これがすごく良い漫画でした。全部で9編も収録されてるんだけど、どれも誠実で空気がきれいな感じがする漫画だった。以下印象に残ったのの感想。
- 「夏休み」
- 山を怖がらない都会の子と、山を怖いという田舎の子。畏れつつも見た事のないものに思いを馳せることができるのは幸せなことかもしれないなと思ったりする。
- 「待ち人」
- これも田舎で待つ主人公と、帰省してきた友人のお話。青春だ。良い話だ。
- 「ももこの禁止生活」
- 絵柄が随分違って驚くけど、話は面白い。何事もバランスが必要だ、と言うのは簡単だけど、そんなうまく自分をコントロールできるなら誰も苦労しないよなぁ。
- 「水の底」
- これは魚がいっぱいできれいなんだけど怖いお話。「ももこの禁止生活」の後に入ってるっていうのが良いと思った。
- 「白い本」
- こういう、白い本の中に思いを馳せる季節の話っていうのはあちこちにあるんだけど、大概はあの髪を切って周囲との距離を越えるところで終わる話な気がする。その先に山をもってきて描いてるのは珍しいような気もするけど、あ、でも言ってみれば「野ブタ。」がそうか。
この本がとても面白かったので、早速「やさしいからだ」も読んでみようと思って1巻を買ってきました。実は私、あの表紙見て安彦麻理絵さんの漫画だと思い込んでたんですよね。違うって気付いたのはかなり最近です。「安」だけなのに。