ポツネン「○-maru-」3月16日19時@グローブ座

小林賢太郎ソロコント第二弾「○」へ行ってまいりました。
新大久保駅から10分ほど歩いたとこにあるグローブ座につくと、当日券に並ぶ長蛇の列。雨なのでたいへんだなぁと思ってみていたら、途中で販売終了していた。あー、枚数数えて並ばせてるわけじゃないのか、と思って少し驚いた。そんなものなのかな。
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「○」の全体的な印象としては、ポツネンが「黒」なら○は「白」だなあというのが第一印象。ポツネンは結局三回も見にいってしまったんだけど、あの時よりは、小林さん自身の印象が柔らかくなっていた気がする。慣れ、もあるのだろうか。
内容的にはポツネンの延長線上にあるのだけど、同じカテゴリの中で、正反対のものをやろうとしたのかなというイメージでした。
確かに面白い。とても面白いし、すごいなぁと心から感嘆してしまう場面も多々あった。それでも、どことなくバランスのとれていない印象も受ける。笑いなのか、美しいものを見せたいのか、そのどちらもなのだろうけど、舞台の上に表現できたはずの何かが残っていたような気もする。
改めて、ラーメンズというコンビのバランスの良さを感じた、なんて言ってしまうのはちょっとためらわれるけど、無性に本公演が見たいと思ってしまった。

(以下簡単な覚え書き/ネタばれ注意)

「○を使ったいくつかの場面」

ポツネンラストで使った磁石の壁を使って丸を変形させていくコント。ちょっと厳しい場面がいくつかあったような気がするけど、まるがしまの下りはおもしろかった。

「音マイム」

これはすごかった。音と仕草があるだけで、そこに風景が見える不思議。音、といっても、ほとんどその人物がたてる音だけ。ストールを巻く仕草をしただけで季節が冬にかわる。スーパーボールはラーメンズでもやってた気がするけど何でだったかな。

「ガジェット」

ポツネンのアナグラムで使っていたテーブルをだしてきて、幾つかの「もの」を使ったコント(?)。ノマキューブ欲しくなった。

そこから流れて、今度はハンドマイム/アンプラグド。自力でまわす回転板の上を手が歩くのだけど、ハンドマイムの時のような軽やかさはやっぱりない。でもこれ好きです。これをアンプラグドでやろうとしたってとこが、今回のポイントのような気もする。手作り感。ちょっと皮肉まじりの童話の世界みたいだった。

「白ヤギさんと黒ヤギさん」

笑った。やっぱり笑うのは一番ラーメンズらしいコントなんだよなぁ。一人二役。都会へ行った白ヤギと田舎に残った黒ヤギの手紙のやりとりが中心なのだけど、「木綿のハンカチーフ」の歌詞がいろいろでてきて笑う。

「○いろいろ」

スクリーン上の○と遊ぶ。○を打ち返すときの音が良くて、音を生のビジュアルで見ている感じ。水のように流れて気持ち良い。ちょっとmice paradeの音みたいで、そういえば開演前にもマイスの「ガリレオ」がかかってて嬉しかった。

アナグラム

そしてふたたびアナグラム。今回は、このテーブルコントがどちらもコンパクトで良かった。ここでは漫画家としての小林賢太郎の本領発揮といったところでしょうか。

「白い○」

ここに白、を持ってくるということは、ポツネンでの悪魔と今回の天使?の対比は、意識的なのかなぁとか思う。最後の展開にいたる物語が少し弱かったような気もするな。一番きれいな○がそれでいいのかな…って考え過ぎか?
ここでの○の意味は、句読点の○、だと思いました。