時空ポケット

今日は一日かけて、部屋の掃除をした。
とりあえず本やCDはきりがないので、捨てやすい洋服からはじめようと思い、押し入れを片付ける。横着しないで、奥のものまで一旦出す。これが、意外と面白い作業だった。
私はそれほど、洋服に入れ込んだことはないつもりなんだけど、それでも高校生から大学卒業するくらいまでは、だいたい半年〜二年周期で服の好みがかわっていた気がする。だから、出てくる服すべて、パッとみて、いつの時代の服だかがすぐわかる。それらの服は確かに私が着ていたんだけど、でも明らかに私の好みじゃなくて、ちょっと可笑しい。
例えば大学1、2年生の頃は、60年代後半から70年代前半の音楽に傾倒してたこともあり、洋服も古着ばかりだった。昭和っぽい。タイトミニのワンピースにロングブーツとか、そういう服装してた。付き合ってた彼もそんな感じで、どこへ行っても時代錯誤に思えてへんだったのを覚えている。そういった古着のワンピースやらシャツやらミニスカートやらは、好みのを探すのは難しかったけど、値段は安かった(高いのもあったけど)ので、これまでにもかなり処分してたはずなのに、まだかなり残ってたりする。新宿のJAM(ライブハウスだけど、たまに古着の店も出てた。イベント時とか)で買ったのには、特にお気に入りが多くて、今回さんざん迷った末に残した三着のうち二着はそこで買ったやつだった。いつかまた着ることあるかな?
その他にも、いわゆるアジア旅行の名残の安い/でも心地よい服たちや、一瞬血迷ってた頃の大量のジル(やたらと身体にぴったりした服たち/似合わない)とか、グランジにはまってたりとか、我ながらわけがわからない。一番驚いたのは、裁縫に凝っていた頃の、自分で作ったスカートやらワンピースやらで、なんか意外とちゃんとできてて(まあそれなりだけど)驚いた。型紙もちゃんと作っててびびる。もうできない。
たぶん、ファッションとしてはまってたのは「60年代もの」だけで、結局「系統」としてかえってくるところはいつも同じ、あっさりした服装なんだと思う(かつて愛読していた『olive』にすりこまれてるのだとおもいます)。で、もうそれだけ買ってればいいのに、たまに浮気して買い集めて結局着ない、とかを繰り返していたのだなぁと今はわかる。うん。色もそうで、赤とか濃い茶色とか似合わないのに、たまに買ってみて着てないとか多い。もうやめよう。
特に捨てにくいのは「高かった」のを覚えているんだけど「あんまり着ていない」気がする服で、高かったから大事にしようと思ってしまうんだけど、いつの間にか気分じゃなくなっていたりするやつ。でも今日こそはそれにもさよならだ。
そして残ったのは案外、もう着古しているものばかりだったりして、たぶんそれが気に入ってるってことなんだろうと思う。

今日出てきたものの中で、一番懐かしかったのは、以前レコード屋で働いていたときのエプロン。ポケットに入りっぱなしだったメモは、店をやめる日にもらった以前の上司からのファックスで、もう色あせてたけどちゃんと読めて、ちょっと泣きそうになった。最後の日のことは、今でもよく覚えてる。
なのでエプロンは、洗濯して、とっておくことにした。

それで結局掃除がどうなったかというと、押し入れはかなり片付いた(ものが3分の1くらいになった)けど、それに1日費やしてしまったので、本棚やCDはそのまんま、です。疲れた。