- 作者: 雁須磨子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2005/06/15
- メディア: 単行本
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こちらは「F」に連載されてたもののようです。題名のとおり、ファミリーレストランにまつわるお話。でもなんか不思議な雰囲気なのは、ファミリーレストランの「外」にいる彼女が最初から少し隠されているところなんじゃないかと思う。よく行くお店の、あの人、のような距離感で、その「お店の人」が日常と結びついている様がだんだんと透けてくるような構成になってるのが、なんか良い。
私が店員だった頃、狭い町だったので、休憩時間にほかのお店に行けば、さっきCD買いにきた人が店員だったりということがよくあった。お互いにそれに気付いていても、特に何を話すでもなく役割を交代するあの雰囲気が、私は好きだった。それは都会ならではなのかもしれないけど「特別扱い」の話を読んで、そういう気持ちを思い出したりした。
日常の、働くという行為の些細な部分を、特に言葉にするわけでもなくなぞっている感じが、雁須磨子さんの独特なのかもしれない。