- 作者: 榛野なな恵
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1998/08
- メディア: コミック
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「私はずっと金ピカの額ブチの中にいたの。でもその中の絵はとっても貧弱だってことに気がついたんです。絵を描き直すために額ブチははずさなきゃ。今はその作業中なんです」
「そんなに恵まれてる人は数少ないの。ほとんどの普通の人間は額ブチがなきゃ生きてけないの。寄り所が必要なのよ」
そうやって藤子の言葉に反論したマホも、結局は男の額ブチにも女の額ブチにもおさまりたくないと感じている。彼女たちの生活は、まず「今を楽しむ」ことに溢れていて、読んでいてとても楽しい。全部で3話しかないのがとても残念。続編があればいいのになぁ、と思います。
「今 流通しているロマンスの75パーセントくらいはシステム維持のためのでっち上げって気がする」
「システム? 何の?」
「種の存続」
っていうのがちょっと面白かった。
それから第三話はマホの同僚のココの物語なんだけど、これもすごくよかった。有り余る愛情を世界に向けるお話。「風に舞いあがるビニールシート」と重ねて読める。