コダマの谷/入江亜季

コダマの谷 王立大学騒乱劇 (ビームコミックス)

コダマの谷 王立大学騒乱劇 (ビームコミックス)

きれいな本。装丁も、絵柄も、すっきりしているのに詰まってて、そういう「作り」へのこだわりがお話にもにじみ出ているなと思った。
たぶんきっと、著者のすきなものをいっぱい詰め込んでできたお話なんだと思う。ヨーロッパとか、レンガ道とか、寄宿舎とか? あとがきにもそんなようなことが書いてあったけど、うん、潔いくらいのイメージ優先だなと思う。だからお話の脈絡に説明不足に思えるところもある。でも、絵柄がしっかりしているおかげで、なんとなく雰囲気で読めてしまう。
お話としては併せて収録されている「フクちゃん旅また旅」のほうが読みやすい。竹本泉さんの「るぷ・さらだ」みたいな雰囲気で、親子がいろんなところを旅する。鬼の子が酔っぱらって花を咲かせる「開花」とか、すてきです。