BLUE/Joni Mitchell

ブルー

ブルー

大好きなアルバム。夜がだんだんと早くなる、この季節にぴったり。
きわめてシンプルな伴奏、ギター、もしくはピアノ、時々控えめなパーカッションだけ、の上に乗るジョニの自由なヴォーカルライン。細く高く、ひらひらと舞わせたり力強い滑らかさで飛んだり、自在に操られる鳥のような声。体に馴染んだ椅子のような心地よさと、大きな木に吊るしたブランコみたいなわくわくする感じを両方もっていて、プレイヤーにのせるたんびに、気分をがらりとかえてくれる。
すばらしい曲がたくさんつまった名盤です。軽やかな「ALL I WANT」からはじまって、名曲「A CASE OF YOU」あたりのしっとりした空気になって終わるのもいい。

私の持っているアルバムのライナーは「恋多き女ジョニ・ミッチェル。」なんて言葉ではじまっていて、私はこの文章が苦手だったのだけど、これを読むと、ジョニ・ミッチェルという人は、感情を風船にのせて、手には細い糸だけがあるような、そんな感じを「わくわく」と思える人、だったのかなって思う。
そういうの、私はいつからできなくなったんだろう。どっちかっていうと、大人しい犬の手綱を持っているくらいの感じが自分に近くて、あんしんしてるけど。