清濁

上野へ行って、コーヒー飲んでから、仏像展を見る。
見終わったあと合流した友人と、お互いに一番気に入った仏像を最後にもう一度みることにしたのだけど、お互いに「意外だ」と言い合って、このたくさんの像の中から、これが、と思うのがあるのは不思議だなと思う。
その後、新宿の花園神社「酉の市」へ。

ものすごいにぎわいで、いろんな人がいる。大きな熊手を買った人の回りには輪ができて、みんなで柏手を打つ。黒スーツの人、品のいいおじいさん、派手な女性たちに、観光客、目つきの鋭い人からぼんやりした人、カップルに子供連れ。みんな入り交じって渦になる。イカ焼きのにおい、焼き鳥、おでん、わたあめ。焼そばをいためる華麗な手つきにみとれていると、まだ中学生くらいじゃないかと思える男の子が、その手をとめてにっこりと笑う。その目。そしてかけ声。七福神だよ、お姉さん、という声に振り向く。あらそっくりだよ、買っていきなよ。笑う、泳いだ目の先に大きな熊手を持った恰幅のいい男性。連れがぞろぞろ。参拝の列に並ぶ。空を覆うかのような提灯。目がくらむ。