仏像 − 一木にこめられた祈り@東京国立博物館

行ってきました。仏教徒でもなく知識もないですが、仏師を目指してる友人の影響で興味があったのと、一木から彫り上げた仏像、というとこに、なんかぐっとくるものがあって。
館内は混雑していたけれど、じっくり見れないほどというわけじゃなく、知識などなくても素直に楽しめた。手を合わせる人もいれば、「○さんににてるね」なんて話をしている人もいる。自由だ。そして、仏像にはなんかこう、威力があるなと思う。そして中には「これだ、」と思ってしまう像というのがある。あった。あるもんなんだな、と思った。
その像は、からっぽな顔をしていた。他の像には、少なからず性格のようなものを伺わせる表情があり、もしくはとても写実的で、美術品としての品があったりするのだけれど、その像は、からっぽな顔をしていた。
からっぽ、ということは、つまりどんな事柄も飲み込むような大きさがあるということだ、なんて私は思う。でもそれはすごく小さくも思える。やさしくて、静かな仏像だった。
全部見終わってからもう一度そこへ戻り、その顔を記憶しようと思ったのだけど、もう忘れかけている。絵葉書などもなかった。でもいつか、また見てみたいと思う。いつもは奈良国立博物館にあるらしい。
それから後半は円空と木喰の仏像。円空の仏像は、どれもいい顔をしている。トーテムポールみたいな三体の、左の善財童子立像の顔が特に好きだ。ニョロニョロみたいでもある。「一木」というテーマにもっともあった仏師なんだろうな。