こっこさん/こうの史代

こっこさん

こっこさん

雄鶏「こっこさん」とやよいとその家族のお話。しんみりすてきになったところで、落とす、その落としかたにやっぱり持ち味があって、完全に「良い(ような)」状態がほころびたところ、突き放した距離感とかに、あったかさが滲む。
うまいなぁ。いつもうまいなぁと思うけれど、「こっこさん」は特に、意図的に「落ち」をまとめてるように感じる。その整然とした感じに嫌みがないのがすごい。けど「長い道」などを読んだ後では、あの、奥にこわいものが潜んでるようなお話を期待してしまったりもする。
はづきの話「こっこ笑」で見せる、はづきの横顔に、ちょっと谷川史子さんを思い出したりした。