「意志する」

日立製作所は6日、暗算や暗唱などによって生じる脳内の血液量の変化を電圧信号に変えることで、鉄道模型の電源スイッチの「オン」「オフ」を切り替える実験に成功した、と発表した。
(略)
暗唱、暗算などの脳活動ごとに活動する脳内部位が微妙に異なるため、この違いを信号に反映させることでより複雑な機械操作を目指すが、研究チームを率いる同製作所小泉英明・フェローは「脳機能のリハビリを、結果を確認し、楽しみながらやることで効果の増大も期待できる。5年以内に実用化できれば」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20061106it13.htm

いつかこれが「当たり前」になった時のことを想像してみる。
この実験は、つまりオン/オフを脳の血流のパターンにあてはめてるということだと思う。「オン」にしたいときの言語のかわりに、脳の動きのパターンを利用している。つまりそれは翻訳された「意志」だ。
なんて考えてみると、やっぱり、「意志」を形にすることの難しさは、やはり「言葉」にあるのだと思う。
そして例えば昨日感想書いた「愛はさだめ〜」の中に収録されていた「最後の午後に」では、「心から願う」ことが現象に反映されていた。
意志は言葉を裏切るものだ。そして言葉も意志を裏切る。
その追いかけっこのままならなさが、「自由意志」の遠さを裏付けるものかもしれない。
それじゃあ、意志はいったい何に制御されてるんだろう。