ブロック・パーティ

監督:ミシェル・ゴンドリー

アメリカのコメディアン、デイヴ・シャペルが今の成功を地元(オハイオ)の人々に還元したいという思いで発案。NYブルックリンで行われた路上ライブの出来上がるまでの数日を追ったドキュメンタリー。
ライブに登場するミュージシャンは私でも知ってるような超大御所ばかり。(詳細はこちら → http://blockparty.jp/index.html)ただ、私は残念ながらデイブ・シャペルその人を知らなかった。
それでも、この映画ではライブ自体と同時に、デイブ・シャペルという人そのものを中心に描かれていて、映画全編をとおして、彼の人のよさというか、わけもなく好ましく思う気持ちに満たされ、とても楽しかった。特に彼が路上にいる一般人(土地の人だったり、会場周辺にすむ人だったり)たちと交わす言葉の数々が、なんかこう面白くてギュッという気分になる。子供とかけっこするシーンとか、マーチングバンドの若者たちとか。あのバンドはよかったな。ふとった女の子たちのグループが旗をぐるっとまわしてみせるときのチャーミングさとか、周囲の人々の興奮とかが、近く伝わってくる。
ライブ自体もすごいのだけど、このライブを成功させるというポジティブな気持ちと、愉快なやりとりと、真摯な思いと、「お前はすごいよ」「お前もな」って心からの賞賛を、ぜんぶ明らかに見せてつながってる感じが、この映画の良いとこだったと思います。
最初のお祈りで、ジーサスとアッラー(だっけかな)って同時に祈るとことかもぐっときた。

あとあと、デイブのファッション(ハンチング、ポロシャツ、細身のズボンがにあう)と、モスデフさんの「おれはダンテ、モスデフとかって呼ばれてる…」って台詞にぐっときた。や、普通の自己紹介なんですが。あの語尾のためというか、一瞬せつない感じになるのがモスデフさんの持ち味だと勝手に思っております。それからレストランの従業員(一般人だと思う)の卑屈ラップもぜひ。なんだったんだあれ。