ブラブラ節

高田渡/五つの赤い風船

高田渡/五つの赤い風船

今年こそは本当に うんと働くぞ
そして ああして こうもする
そのいきどまりの大晦日
なった なった なった なった
大晦日が 正月になってまた
おめでたくブラブラ
「ブラブラ節」

というフレーズを思い出して、三が日はこればっかり聞いてました。「自衛隊に入ろう」などの代表曲が多数収録されている、「五つの赤い風船」とのスプリット盤でありデビュー盤。
高田渡の音楽は「明治・大正時代の演歌を基盤にしている」と書かれていたのを読んだ事があって、このアルバムにも唖蝉坊の曲がいくつか収録されているんだけど、それでもこれはたぶん当時の「今」の空気を描いていたのだろうし、その独特の皮肉を交えて描かれた歌詞は、21世紀の今にもそのままあてはめることもできる。ぼくとつとしたメロディーと、「あきらめきれぬとあきらめる」といった言葉を飄々と唄う声は、そこに漂う絶望の匂いも、すがすがしく、やがてぽかぽかと、暖かいものにすら感じさせるのだった。

さがしたけれど どうしてもないよ
夢でひろった お金がない
「事だよ」

スタジオ収録盤なので、お客さんの反応もちらほら入るのが楽しいです。