エレクション

ichinics2007-02-04
監督:ジョニー・トー
「アヌトパンナ・アニルッダ」さんの感想(こちら)で「全般に取り付くしまのない展開」と紹介されているのにそそられて見に行きました。
いやー、確かにこれはすごい。意外、というより“おかしな”展開に振り回された末に放り出されて呆然としつつ、でもまあ、そうだよねぇ、と思わず納得しかけてしまったけど、思い返すとやっぱおかしい。

ディパーテッド」を見たせいか、無性に黒社会もの見たいと思ってたとこなのでタイトルが「黒社會-Election」てバーン! てでたとこではにやにやしてしまいました。物語は香港マフィア組織、次期会長を決める選挙をきっかけに、金儲けが得意で武闘派のディーと、温厚な頭脳派ロクの争いを描いたもの。設定自体はこれまでのジョニー・トー作品に多く見られる、対照的な男2人の対決なんですが、まったく先が読めないというか、ある程度物語にひっぱられて予想したところで裏切っていくような展開。
最近の(ジョニー・トー監督の)作品はあまり見てなかったのですが、「暗戦」の頃のエンタテインメントとはまた趣の違うドラマが見れる。一番じゃないと落ち着かねえって感じのディーと、黙々と任務を果たすロクの対比が、銃を使うことなく*1、殴る蹴るで決着つけるやり方とあいまって、重々しく雰囲気があった。
幕切れは唐突だったけど、続編があるらしいので楽しみです。黒社会(洪門会)の歴史と「兄弟」の誓いについてはわりと丁寧に描いてあったので、続編はそのあたり、掟の崩壊などが描かれるのではないかと思う。
ところで、チムサーツォイの夜景を眺めながら、の場面の音楽には笑ったけど、笑わせようとしてんのかどうかがわからなかったなぁ。ジョニー・トーってこういう人だったの?

*1:たぶんなかった。