Metallica/Metallica

メタルというジャンルについては、昨年の夏に「メタルヘッドバンガーズジャーニー」を見て(id:ichinics:20060713:p2)からあれこれ考えていたんですが、その後サマソニで見たメタリカのライブが*1かっこよかったこともあり、ちゃんときいてみようと思っていた。のをやっと実行しました。いわゆるメタルのアルバムを買うのはこれがたぶん初めてです。

そもそも私はなんで「メタルヘッドバンガーズジャーニー」という映画を見にいったのか、自分でもよくわからないんですが、たぶん長年レコード屋で働いていたくせに、メタルという盲点があるのがずっと気になってたんだとは思う。意識的に避けてきたならまだしも*2、私がメタルになじみがないのは、単に中学から女子高に通っていたってことが大きいんじゃないかと思う。大学の男友達どうしがメタルの話をして、あれはよかったなぁ、みたいな語りをしてるのは、正直うらやましかったし、でもそれはみんな「かつて」の話だった。映画では『「あの夏はスレイヤーをきいてた」なんてことはない』といっていたけども、私の友達たちはみんな卒業してしまってたのか、そんなに好きじゃなかっただけなのか、もしくはそのようにふるまっていたのかはわかんないけれど。
それに私はLED ZEPPELINをこよなく愛しており、しばしば彼等のアルバムがハードロックおよびメタルの元祖的な位置づけで紹介されるのは目にしていたし、初期のサバスも好きだったし店の常連のジャズマニアのおじさん(尊敬していた)がジューダスにはまってて興味をひかれたりもしてた。
そもそもヘヴィロックは好きなんだし。

というわけで、選んだのがメタリカの1991年に発表されたアルバム、通称「ブラックアルバム」です。

メタリカ(紙ジャケット仕様)

メタリカ(紙ジャケット仕様)

1曲目からかっこいいです。なんどもいうようにメタル知識まったくないので感覚で感想かきますが、まずはとにかくリフがかっこいい。それから重厚感のあるユニゾン、シンプルなんだけどタメのあるドラム。そこに迫力とつやを兼ね備えたヴォーカルが重なり、ぎゅうっとしなったところでブレイクが繰り出されたりする展開にぞくぞくする。ヴォーカルがやたらと重なり高音域へと解放されてく感じとギターソロは、メタルっぽさとしてイメージするものに近いんですが、#2の引きずるような重さとか、#5のサイバーな感じとか、あのヘヴィロック/ハードコアが台頭しだした90年代後半は、もともとこの辺りにルーツがあったんだなとか、たぶんきっと常識すぎることを再確認した。あちこちにいい感じのフックがちりばめられており、ここで盛り上がるんだなってのがわかる。ライブ楽しそうだな。アンコールで「So What」(ボーナストラック)ですか。それともこれは中盤のバラード直後かな、なんて想像するのも楽しい。
なかでも#6はZEPぽくて、ZEPをこの音質できければいいのになぁーとか思った。つーかバラードは好みじゃないけど、それ以外はぜんぶかっこいいや。

そしてまた「メタルヘッドバンガーズジャーニー」のことを考えて、はじめて歌詞を読んでみたのですが、これまで私が聴いてきたロックと異なる点といえば、一人称が「我々」であったり「お前」と男/友人を指している曲が多いということでした。このアルバムだけ聴いたくらいじゃなにもわかんないと思うけど、その言葉が語りかける感じが、あの忠誠(に似たファンの有り様)につながっていたりするんだろうか。そりゃ燃えるよなぁと思う。

NEVER OPENED MYSELF THIS WAY
LIFE IS OURS, WE LIVE IT OUR WAY
「Nothing Else Matters」

*1:リップスに行ってしまって、途中までしか見てないですが…それでも一人でマリンスタジアムに走った。

*2:ユーロビートとかはそうだな