デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム

監督:細田守
デジモンについては、なんか、男の子版たまごっちみたいなやつ? というくらいのイメージしかなかったのですが、細田守監督作品ということで借りてきました。
面白かった…!
子ども向けだけに、とてもシンプルな脚本で、笑いどころ、泣きどころがきちんと強調されたつくりなのだけど、単純は味気なさではないし、細かい描写やビジュアルのセンスのよさがアクセントになってもいる。きっと繰り返し見ても楽しめる作品だし、子ども向けのすごいとこって、ほんとそこの強度だよねと思う。
それから、私はデジモン知識ゼロなのだけど、いまいちどういうことかわかんなくても、キャラクターの関係を知らなくても、把握できてしまうところもストレスフリーだった。
見ていると、どうやらデジモンというのは主人公たちの持っているデジバイスという端末をネットにつなぐことで、自分のデジモンとやりとりしたり、ネット内戦闘に参戦することができる、という設定らしい。
ぼくらのウォーゲーム」では、ネット内のデータを喰う新種のデジモンを倒すべく、主人公たちは仲間に連絡をとろうと苦心する。しかしパソコンがなかったり、電話が通じなかったりトイレに行きたくなったり、というきわめてアナログな理由で「現実」の問題が起こり、ネット内にいる自分のデジモンが危機に陥ることになる。
このへんの、オンライン/オフラインの描き分けがとても面白かった。
特に、主人公たちが切迫した戦いを繰り広げている背景で、お母さんがケーキを焼いている、というザッピングが秀逸。この緊張と弛緩の描き方は、すごいセンス良いし、好みだ。
細田監督ならではの、動きの面白さや、ネット内の描写は「SUPERFLAT MONOGRAM」(id:ichinics:20060715:p1)に近い、サイケデリック。それだけでなく、イントロおよび劇中でうつる、主人公たちのくらす新興住宅地の風景も良かった。そしてタケルとひかるがかわいい。

しかしこの映画を見て、最も印象的だったのは、この映画のあちこちで、世界各地でパソコンを覗き込む、様々な人種の少年少女が描かれていることだった。彼らディスプレイをとおして、同じものを見ている。そのつながってる感が、なんというか、この映画がつくられた当時のインターネットに対する期待感だったのかなぁと思うと感慨深い。今のインターネットはどうなってるんだろう? 今もまだ、あの風景はインターネットの理想として通用するのかな?

というわけで、次は「ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」を見ようと思います。