歴史をかえてはならないという倫理

昨日の感想を書きながら、歴史を変える、ということについて考えていた。「過去に干渉してはならない」という倫理があるような気がするのはなぜかということ。そして、物語の中では、主人公にとってのよりよい今のために、歴史を書き換えるという行為を応援できるのは、その倫理に矛盾していないかということ。
確かに矛盾している。実際に過去に戻って別の分岐を選択することができるなんて物語の中だけのことだとしても、それに近い行為は今だって行われている。歴史は書き換えられる。そのことを考えると、何を信じればいいのかわからなくなる。でも、そもそも歴史は絶対のものじゃないのかもしれない*1
命令しました、してません、した証拠はありません。その言葉の書き換えによって、変化することは何か。
少なくとも、その場にいた人の「今」にはつながっていないんじゃないか。歴史はいつも個人から遠い、ということは、これだけ生きればもう十分にわかる。
ただ「おこったこと」だけが変わらない。変化したのは解釈だけであって、それは常にうつろう、ということなのかもしれない。それでも、歴史に干渉することがタブーであるように感じるのは、なぜだろう?

*1:私は学問としての歴史を知らないのだけど