So it goes.

そういうものだ、と呟いてはみても、ぽかんと開いた口が塞がらない。
私にとって彼の、親愛なるカート・ヴォネガットの存在は、トラルファマドール的時間軸を照らすすてきな放物線だった。フォーマを掲げたドン・キホーテのごとく、時空を旅するその勇姿には、ほんとうにたくさんのことを教えてもらったし、それはわたしにとって大切な「ひまつぶし」として、いまもしっかりと手もとにある。
ジェイルバードはときはなたれた。その風景を、わたしは何度も見送ってきたような気がする。
ギルゴア・トラウトいわく――

「長い年月のあいだ、わしはずっと部屋の窓をあけはなち、世界に求愛していたんだ」

胸をつかまれたような気分になるのは、ただ、感謝したいからだ。
ありがとうありがとう!
いつの日かリンゴの木陰でレモネードを飲むヴォネガットに出会うことを夢見て。ピース。
http://www.vonnegut.com/