名前がないと消えてしまう世界それは冷蔵庫。

ドライマンゴーをヨーグルトに入れて一晩冷蔵庫に入れといてから食べるとウマいよという話をついったーで聞いたので、早速ドライマンゴーとヨーグルトとかってきて、深夜に台所でマンゴーを刻み、ヨーグルトにまぜ、ラップにかけて冷蔵庫にINしておいたのですが、起きてみてみたらないのね。ヨーグルトパックごと。
そういえば我が家の冷蔵庫ではときどきそういうことがおこるのです。ちょっといいとこのケーキとか、アイスとかね、あとで、と思って楽しみにしてるものに限って、冷蔵庫にいれると消えちゃうんです。不思議ですね。
だから、マンゴーヨーグルトが消えた日も、またか、と思ってあきらめていました。しかし、冷蔵庫を閉めようとしたそのとき、私は冷蔵庫の中に見なれぬものを見つけたのです。
牛乳の上の、浅いポケットにささってるのは、なんと黒いマジックでした。
私は首をかしげ、お母さん、こんなところにマジックがあるよ、といいました。すると、お母さんはそのペンで、大好物の高級キムチの瓶に名前を書きはじめました。「これで名前を書くと、冷蔵庫の中から消えないのよ」
そんなマジックがあったなんて、私は全然知りませんでした。お母さんはなんて物知りなんでしょう。
私はさっそく、もう一度ヨーグルトを買ってくると、ドライマンゴーをそのまま食べてしまいたい気持ちをぐっとこらえ、刻んでまぜて丁寧にラップをかけ、そのうえに名前を書きました。
明日の朝、ヨーグルトが消えていなければ、マジックは成功です。