「Keep Breathing」/The Durutti Column

最近はずっとこれを聞いています。
それはもちろんフジにくるというニュースを聞いたからで、とうとうチケットもとってしまったから勢いで感想をかこうかな、と思ったりしたんだけど、いざ言葉をさがそうとすると、うまくみつからないのね。それはこの音に付随する風景があまりにも鮮明だからで、そういう音楽っていうのはほかにもいくつかある。

Keep Breathing

Keep Breathing

The Durutti Column をはじめてきいたのは大学生のころで、去年でたこのアルバムをきいて、最初に思い出したのもやっぱりその頃のことだった。たぶん、わたしにとってヴィニさんのギターはそのときの音で、それはちょうどこのくらいの季節で、窓の外の緑や光やその日のこれからと一緒に、音が流れているのが見えるようで、こうぐっと、引き戻されそうになる。
けど、ふと立ち止まってみれば、この音は私がはじめてきくよりずっと前からあったのだということを思い出せる。あっちから、こっちまで、ヴィニさんの手にずっと続いてきたって知ることはとても心強く、この音を今に、更新できるような気がする。そんなアルバムだった。 “Keep Breathing" というタイトルが、またすてき。
瑞々しく、光があたってもひんやりとしているわき水のような、音。