ZAZEN BOYS@日比谷野外音楽堂


一週間前には雨の予報だったのにもかかわらず、すばらしい晴天。リハーサルの音を聞きながらビールを飲み、開場を待つ。この日をほんとたのしみにしてた。

新ベースを搭載した新生ZAZEN BOYSは、「Take Off」で幕開け。その後に続く曲も、全ての曲にテコ入れしたのが分かる、新アレンジの連続でした。ライブのたびに新しい発見のあるバンドだけど、今回はとくにリズムや音の入れ方をかえてきている感じがして、脱皮仕立ての生っぽいつややかさを思うライブだった。
向井さんのキーボードは音数が増え、カシオメンのギターからは聞いたことのないリフが飛び出す。面白いところに音が落ちる。新メンバーの吉田一郎さんは、ちょっと堅いというか緊張している感じがしたけど、ドラムのそばに立って、向井の動きをジッと見つめ、確実に音を支えている。ヤンキーのアグレッシブなベースとは全く印象の違うベースで、最初の5曲くらいは、観客も手探りするような面持ちで見守っていた、と思う。でも「Hard Liquor」をやったあたりから、見た目にも余裕がでてきたように感じたし、「Cold Beat」では、ステージ上の4人が向かい合って息をのむ、この集中こそがザゼンだよなと思ってうれしくなった。新生ザゼンは、音色よりも、リズムの取り方が新機軸であるような印象を受けるのは、やはりこのベースの個性によるところが大きいんだろう。 柔らかな鉛のような音がヤンキーだとしたら、鉄パイプみたいな音、とか思う。この先どんどん個性が見えてくるんだろうなと思うと、とても楽しみです。
そして今日、冴えまくっていたのは、なんといっても松下ドラム。刻むバスドラと締まったスネアの音が荒れ狂う竜巻きのように曲をうねらせる。軽やかで重いドラム。まだ柔らかさの残る新曲群でも、松下ドラムはたよりになるエンジンとして曲を引っ張っていく。そこに色をのせるギター、ボーカル、ベース。ツアーの終わりにはまたAXでライブがあるそうですが、その時にはこれがどんな音になっているのかと思うと、そわそわしてしまう。早くみたい(チケットとれますように!)!!。
そして新曲。覚えている限りで書くと、まず最初に披露されたのが〈忘れてしまった〉を繰り返す「YUKATA」。続く「DARUMA」は乗りにくいビートのまんまつんのめって走り抜けるみたいな、かっこいい曲だった。これからライブの定番になりそう。それから「ナベ&サダ」というインストはめずらしくコンパクトな曲。「〜シティ(タイトル忘れた)」「don't wanna be with you」ではカシオメンがコントローラーのようなもので音を出して演奏していた。音色としてはディスコに近くなって、なんとなく3rdの後に続く傾向が見えてくる。まだレコーディングの予定とか立ってないっていっていたけど、きっとこのツアー終了後には見えてくるんじゃないかなと期待しています。
「Friday Night」「RIFF MAN」で一気に舞い上がった後、アンコールは新曲「雨宿り」から。カシオメンはまたコントローラーだったけど「ギターカシオメーン」て紹介されててちょっと笑いがおこる。そして「KIMOCHI」で終演。
なりやまない拍手! カシオメンがでてきて挨拶して、それでもなりやまない拍手に向井登場、無言で手を振って去っていった。
やー、ライブってほんとうにいいもんですね。楽しかった!