ハミング・スイッチ/二階堂和美

ハミング・スイッチ

ハミング・スイッチ

二階堂さんの新作ミニアルバム。
日産マーチのCMソング、が一応メインになってるんですけども、その他のカヴァー群がもう、すばらしい。ニカセトラの夏模様編を聞かせていただいたことがあって、その中にはいっていた「真夏の果実」や、「関白宣言」「卒業」それと松本隆渋谷毅さんの未発表曲「つるべおとし」、などが収録されています。そしてこれがどれもいいんだ!
人の曲、とくに有名な曲をやるときに、すでにあるイメージに寄っていくタイプのものと自分の側に引き寄せる人といると思うんですけど、二階堂さんの場合は完全に後者で、そしてこの人の歌うラインを聞いちゃうと、もう耳がそっちに寄っていってしまう気がする。
この、元曲のラインが重なってしまいそうなほど有名な曲でも、引き寄せてしまう威力はなんだろうな、と考えていて、それは、やっぱり、二階堂さんの歌が、懐かしいからなのかもしれない、とか思う。いつかの、親密な空気の中で、聞いたことがあるような、そういう歌い方をする人だ。のびやかで、やさしくて、健やかな。
your song is good と競演している「関白宣言」はもーかわいくって、転げ回りたいくらいだし、「真夏の果実」は、わたしサザンちょっと苦手なんですけど、地元の友達にサザン大好きな子がいて、そのこの車のるたんびにかかるこの曲すらもう二階堂さんの声に上書きされてしまい、「卒業」は、大好きな曲なんだけど、かなりオリジナルのラインに近く歌ってるのに、アレンジが違うだけでこんなに色がかわるんだな、とか、「つるべおとし」は、カヴァーだけどはじめて聴いた曲で、これとても悲しい曲なんですけど、なんかもう胸にせまるとこがあってね、「しみるんです」てとことか松本さんぽいな、とかとか。
そしてラストを飾るのは「Lover's Rock」の弾き語りバージョン。いいなぁ。このやわらかいギターの音と、鼻歌とかが、音との距離をぐっと縮める感じがして、たまんないです。