2007年11月6日の日記

「猫のこと」
家に帰ったら真っ先に、ソファに直行する日が続いていた。ストーブ炊いて、ホットカーペットしいて、布団にくるまって、それでも誰かが帰ってくるたびに、顔をあげて、鳴く。その声が今日は聞こえなくて、寝てるのかなと思ったけど、触れてすぐに、わかってしまった。濡れたように、動かないその背の上で、急に自分の手が重く感じられる。けど、よく見ればそれは、私のよく知ってるいつもの寝顔で、不思議と、ああよかったねと、思った。
土曜日の夜に顔をみたときから覚悟はしていた。「顔が変わっちゃったね」と言ったら、こんな美人さんなのにひどいこというねぇ、と母さんはいったけれど、あのくるしそうなときより、今のが、ずっと落ちついた顔してる。
拾ってきたのは弟で、名前をつけたのは私だった。それももう、20年以上前のこと。私が小学生の時から一緒に住んでいたので、今でもあちこちに、そっと歩く気配があるような気がするんだけど、
ねえ、と同じこと考えてるだろう母や弟と顔を見合わせて、黙々と晩ご飯食べた。
猫の名前は、チャオ。
長い間一緒に暮らせてよかった。これからもたくさん、思い出そうと思う。

-
-
-
http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20050214/p3
http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20051114/p2
http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20070507/p2
http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20071021/p3