夕焼けがきれいだった

土曜日は仕事で人の話を聞きにいった。狭い会議室で、こんな狭い会議室では絶対に眠ったりできないなんてあせりながら、実際に話を聞きはじめたら眠気を感じる暇はなかった。それでもあくびはでそうになって、奥歯を噛み締めながら、あくびがでることと同じくらいの自然さで、私は何度も泣きそうになった。なんて薄っぺらい、と思いつつも、何度もそれはやってきて困る。人の語る誰かの話を聞いて悲しくなるということは、その中にある切実に、自分のそれを重ねるからなのだろう。でも、それは物語として消費していることになるんじゃないのか。遠いからこそ消費できるんじゃないのか、とか。わかんないよそんなの、と、放り出しそうになりながらも、自分の中にある切実さを心強く思ったりする。その心強さが嫌らしさの上に成り立っているとしても、身の回りにどーでもいいことを積み重ねていくよりはマシなんじゃなのか、とか思いつつ。少し早足で歩く。もうちょっと。