雨の日

思いっきり寝過ごして昼頃、家を出ると空が真っ白だった。
いつもの古本屋に本を売りにいき(あのひとがくると新刊が充実するな)という認定を、されたいようなされたくないようななんて妄想をしながら、査定を待つ間ぶらぶら買い物。かわいい緑色のシャツを見つけて試着させてもらうも、なんだかぜんぜん似合わなくて軽く落ち込む。緑好きなのに緑にあわないんだなーとか考えながら、そもそもお金使ってる場合じゃないか、とか思い直す。

査定が終わった後は挨拶まわり。傘さしてひとりで歩いてるときに、電話で雨降ってることとか、話したりする。話し終わってふと見ると、コートのボタンがちぎれそうになっていて、
そういえばずっとまえに見たライブ映像で、ジミ・ヘンドリックスが「雨降ってるときに、ボタンがとれると悲しいよな」って言ってたのにすごく納得したんだけど、
でも今けっこう嬉しい気分なのは、電話のおかげだなとか思いながらボタンしまった。

帰りの電車、窓の外に桜が見えるたびに、いくつもの視線が追いかける。桜ってほんと、特別な花だなと思いながら、昨年の秋、落ち葉のにおいで「ああこれ桜の葉っぱだ」って気付いたときのこと思い出していた。