だいぶ前に読んだのですが、なかなか感想が書けないままずいぶんたってしまった。ここには読んだ漫画ぜんぶの感想書いているわけじゃないんだけど(続きものとかは書いてないこと多いし)、でも面白かったのは書いときたいなあって気持ちもあって、で、これは面白かったんだけど、面白いって言うのもなんか違うというか、とにかく読み終わってお腹いっぱいになってしまった。
このシリーズ(失敗と生活)は、漫画家を目指して漫画家になる主人公(作者)のお話で、かといって漫画を描くとこがメインというわけでもなく、「失敗」は結婚するまで、「生活」は結婚してからのお話になっている。「失敗」の、読んでて息苦しくなるほどの極私的脳内ぶちまけ感は、「生活」になるとある程度の方向性がでてきてちょっと安心して読める感じなんだけども、まあとにかく主人公(作者)がすごい、なんていうかだめな人だ。気になる女の子が鞄を置いていってることに気付いてすぐ「急いで中を見ないと!!」ってなる、その行為に対する作品の外からの視点みたいなものがぜんぜんない。これダメなことですよねーみたいなのいっさいない。でも例えばアルバイトの面接を受けて、断ってやれって断って「ニヤリッ」とした次のコマで自分の「ニヤリッ」を回想してたりとか、そういう物語の中での客観性の描き方がすごくうまかったりもして、この独特のバランス感覚に、終始圧倒されて読み終わったような気がする。
すごく面白い漫画だと思う。けど、実際けっこうへこんだりもする。えええーとか思ってるうちに読み終わり、読み終わったらしばらくひざを抱えて丸くなりたい感じなので、やっぱり感想かけそうにない。
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