実験4号

大好きな theピーズの「実験4号」を元に作られた、山下敦弘監督の短編映画と伊坂幸太郎さんの小説。楽しみなような不安なような気持ちで、でも発売日に買ってすぐ映画を見て、それから小説を読みました。
映画も小説も、遠い未来の同じ世界を舞台にしていて、登場人物の名前がピーズのメンバーの愛称と同じだったり、小説では、大昔のバンドの記事を発見するという形でピーズのインタビューが抜粋されていたりします。そのせいか、想像していた以上にピーズのファンに向けられた作品に感じられました。

実験4号

実験4号

でも、正直にいえば、映画も小説も、私はいまひとつ楽しむことができなかった。
そして、その理由はたぶん、私のピーズへの、特に「実験4号」という曲に対する、思い入れが強すぎるからだとも思う。だからこの曲を知らない人がどう思うのかは私にはわからないし、以下、ただのファンの愚痴になってしまうのだけど、でも、その思い入れがひっかかってしまうくらい、theピーズと「実験4号」という曲が作品の中心にあって、だからきっと、これを作った人たちはピーズのことが好きなんだろうなって思う。
ただ、こうやって現在進行形のバンドを、物語として遠い先から振り返るって、どういうことなんだろう。もちろんピーズのOKがあって出てる作品なので、ピーズがいいならいいじゃんてことになるんですけど。
「実験4号」という曲が収録されている『リハビリ中断』*1というアルバムは、アビさんの脱退後、ピーズの活動停止直前に出たアルバムで、当時私はまだピーズのファンでななかったけれども、ファンだった親友が、「はるに置いていかれる」といっていた、その、一言でとてもに印象に残っていて、
私はファンとしてその時期を体験したわけではないけれど、それでもピーズファンにとってはいろんな思い入れのあるアルバムだろうなと思うわけです。そこを、あえてピーズの歴史とこの曲を重ねて、物語にすることには、なんだかちょっと抵抗を感じてしまう。
そもそもピーズは自分のなかの、あんまりひとに触れられたくない部分に触れてくるバンドで、だからすごく好きで、私はピーズをピーズ以外に求めてないんだろうな。なんてのも今さらな感想だけど、そういうものがあってもいいじゃんと思う。
ちょっとピーズ好きな人と、このへんについて語り明かしたい気分です。
リハビリ中断

リハビリ中断