ブォン、ジャーン日記

画面の点滅、異音、度重なるフリーズなどなど、予兆は数年前からあったので覚悟はしていたくせに、これまでだって持ち直してきたのだからだいじょうぶだろうと思ってしまうのが私の楽観的なところで、帰宅していつものように電源ボタンを押しても何の反応もなく、何度押しても電源が入らなくて、あのいつものブォンて音がしなくて、ああとうとうダメかもしれないとおろおろしながらも、でもせめて中に入れっぱなしの写真や音楽やテキストデータを外付けに移したいと、往生際悪く電源ボタンを押し続けていたら、再びジャーン、とリンゴマークがでた、あのときだって大喜びしつつも、どこかで今度もだいじょうぶだと思っていたのかもしれない。
それが10日ほど前のことで、それからは一度も電源を切らなかったし、家を出るときもスリープにしていたので、帰宅するとまず、ゆっくりと点滅する蛍ランプを確認するようになった。そんな状態で、あと何日もたせるつもりだったのか自分でもわからないけれど、データをほとんど外付けに移動して軽くなったせいか、こころなしかいつもより調子が良い様にすら思えた。
今思えば、ほんとうに楽観的すぎる。
一昨日の夜、帰宅してデジカメのデータを転送している最中に、異音とともにフリーズし、私のemacさんはそのまま電源が入らなくなった。念のためと思って閉店間際のヨドバシで内蔵電池を買ってきてとりかえてみたけどだめだった。
あらためて見てみると、ずいぶんと年季が入ってしまっていた。最後に、今まで後回しにしてきたデータ移行ができただけでもありがたいことなのだろう。
丸一日、そのままの状態にした後、私は思い立って白いemacさんを抱え上げ、それはなんとか持ち上げられるくらいの重さだったけれど、どうにか押し入れまで運び、その奥にしまった。電源の入らないパソコンは深い穴のようだ、とか、そんなことは思わなかったけれど、もうあのブォン、ジャーンを聞くこともないのかと思うと少しさびしいような気がした。
さよなら、私の白いemac

次はwindows機を買うつもりです…!