ゆく年


昨年は26日に仕事をおさめて、27日から4日までの9連休だった。
その9日間ずっと、東京は晴天。暮れの数日間は、ふだん乗らない「昼の電車」に乗ることが幾度もあって、車内にあふれる光と視界をよぎる影と足下の暖房のあたたかさに気が遠くなるような眠気を覚えながら、ここで誘惑に負けて眠りこんで吉祥寺〜渋谷間を往復しつづけた高校時代を思い返したりした。
鍋食べたり、行ってみたかったカレーやさん行ったり、久しぶりの人に会ったり、貸してもらったカメラを持って近所をうろうろしてみたりしつつ、
冬休みだなという実感と、まだ終わりたくないなーという焦りが同時にやってきたのはたぶん30日頃だったと思う。

30日は昼過ぎに弟と妹と待ち合わせして買い物。眼鏡を新調した。その後、めずらしいことに弟がカラオケに行きたいと言いだしたので昼ご飯食べようとしてたのをやめてカラオケへ。弟とカラオケ行くのはたぶんはじめてなんだけど、いきなりジェロでそれもうまくてものすごく驚いた。ほんと驚いた。面食らったままフライドポテト(カレー味)をつまみ、マクロス三昧しておしまい(なんという残念な兄弟…)。夜テレビ見てたらジェロさんが出てきたので、母さんにその話をすると、自分も行きたかった、とたいそううらやましがられた。

ところで、今、家にはわけあって元野良猫の猫たち(ママ猫、シマ、ハナ)が母子3匹暮らしているのだけど、最初はやさぐれた表情だったかれらも、ずいぶんとうつくしく成長した。昨年末に亡くなったチャオはストーブの上やテレビの上などの暖かいところを陣取って動こうとしなかったけれど、子猫たちは寒さ云々よりも好奇心の方が勝っているようで、ほとんど常に居間を走り回っている。チャオのしっぽはあがりっぱなしだったけれど、シマのしっぽは細く長く滑らかに動いて、しっぽだけでも猫は皆個性があるのだなと思う。

31日は昼からおせちの準備を少し手伝う。八つ頭をむいていたら手がすごくかゆくなって、そんなときは酢を塗るといいと言われたので手のひらに酢をもみこんだりした。お酢臭い手でお雑煮と筑前煮の準備だけすませた後は、家族のアルバム整理。これは両親へのプレゼントを作る用の作業だったのだけど、懐かしい写真に夢中になっているうちに、あっという間に時間がすぎてしまった。紅白と「笑ってはいけない」をいったりきたりしてたらいつのまにか年越したので、みんなでぞろぞろと父さんの部屋まで誕生日おめでとうございますを言いに行く。うちは毎年誕生日と正月がいっしょにやってきてめでたい。

その後、年末恒例のみんなでゲーム。

いろんなことがうまくいくといいなと思いつつ、眠った。