自分が情けないものや弱いものに惹かれがちであることは自覚しているのだけど、その気持ちにはどこかうしろめたさもあって、それはなんでなんだろう、ということを最近考えていた。長いこと、そのような情けなさや弱さが自分の中にあるからなのかなーと思ってたのだけど、それだけじゃないような気がした。
考えるきっかけになったのは、いましろたかしのマンガを読んでいるときの気持ちと、福満しげゆきのマンガを読んでいるときの気持ちはあきらかに違っているのを感じたからだった。
一概にジャンルのように扱ってしまうのは避けたいのだけど、どちらも何らかの「うまくいかなさ」を描いていて、でも、いましろさんのマンガを読んでいるときの、かなしさや安心や焦燥感のようなものは、福満さんのマンガを読んでいるときには感じない。簡単にいえば、福満さんのマンガに私は感情移入できなかった。
これは感情移入できることが良いとかそういうことではない。そもそも福満さんのマンガはとても客観的に描かれていて、そこが魅力であり怖さなのだとも思う。
つまり、そこにある苛立ちの方向がまったく違っていて、私はその苛立ちにこそ惹かれていたんじゃないかということに、いまさら気づいたのだった。
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そして、私の中のその苛立ちにもっとも近いところにいるのがtheピーズなんだと思う。
これは私がピーズを聞くようになったとき、既に彼らが長い休止期間を経て、活動を再開していたことも大きいと思う。もちろんもっと早く知りたかったという気持ちもあるのだけど、その切実さはそのままに、今も曲を作り、ライブを見せてくれるっていうことは、ほんと心強いことだ。そういえば、私がはじめてピーズのライブを見たときに感じたのも、圧倒的な心強さだった。
メシ食うぞ めんどくせぇぞ
くたばる自由に生きのばす自由辿り着く景色だけがすべて 君の名前はなぁに
遠くの島 家族 平和
今に見ろで過ぎてゆく
Theピーズ「生きのばし」
この曲のイントロ、じゃっじゃーん、てギターの音聞くとなんだかたまんない気持ちになる。
私がピーズを好きなのは、もちろん音楽のかっこよさもあるけど、そこに描かれる苛立ちが、あきらめの悪さでもあるからなのだと思う。
そして、私が感じていたうしろめたさは、どこかでそれをゆるされたいと思っていたからなんじゃないかなと思うようになった。でもゆるされてどうなんの、どうせあきらめないんでしょ、ということを、ピーズの音楽は思いださせてくれるような気がするのだ。
ダメだーって言えるようになるより、ダメじゃなくなりたいと思ってることを認めてしまうほうが、ずっといい。今に見ろでいいじゃんて、とりあえず話はそれからだということを、最近考えたりしています。
- アーティスト: Theピーズ,大木温之
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2003/02/05
- メディア: CD
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