「ちはやふる」1〜3巻/末次由紀

感想書くのをすっかり忘れていたんですが、とても面白かったです。

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)

ちはやふる (1) (Be・Loveコミックス)

物語は、主人公ちはやが、クラスメイトの新によって競技かるたに出会うところから始まります。同じくクラスメイトの太一と競うようにかるたにのめり込み、三人の間に友情が芽生えたところで、新の引越しが決まってしまう。でも、かるたを続けていればまた会えると信じて、三人は別れる。そして、ちはやが高校生になったところから第二部がはじまります。ここではじめ小学生だった三人がかなりの美形に成長しているのがいかにもなんだけど、
それはともかく、この漫画は物語の中心となる競技かるたがほんと魅力的に描かれていると思います。もちろんそれは主人公ちはやが楽しそうにかるたをやっているからでもある。でもそれだけじゃなくて、最初にちはやが驚いたように、競技かるたのスピードと緊張が、静と動の感触が、画面から伝わってくるからこそ、ついつい夢中で読んでしまうんだと思う。ちはやには、耳が良いというさりげない天才要素もあるんだけど、これが完全に万能じゃないさじ加減も絶妙。
最新刊である3巻の終盤には、チーム戦ならではの盛り上がりがあって、特にラスト7ページ、肉まんくんの「勝ちたいよ」という独白につながるまでの流れにはほんと泣けてしまった。
なんていうのか、チームの中での自分の居場所にいまひとつ自信をもてないでいるキャラクターが、がむしゃらになるシーンというのに私はほんとに弱いです。かっこ悪くてもいい。「勝ちたいよ」というその一言が聞けてほんと嬉しいよ…という気分です。熱い。かるたやりたくなります。
ちはやふる (3) (Be・Loveコミックス)

ちはやふる (3) (Be・Loveコミックス)

ところでかるたといえば、私が通っていた中高一貫の女子校には毎年クィーン戦というかるた大会があったので(覚えるノルマとかもあった)、私もがんばって百人一首を暗誦したりしたのですが、いまとなっては “むすめふさほせ” すらきちんと思い出せないありさまだよ。
思い出せるのは特に好きだった「心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどわせる 白菊の花」という句くらいなのですが、なんでこれが好きだったのかというと、読み手が凡河内躬恒という人で…当時の私は「EXIT」という漫画が大好きでそれに凡河内というキャラクターがでてきたからだったなぁ…ということを思い出したりもしました。相変わらずすぎる。