適量

夕方6時、新宿の改札で会った久々の友人たちと、雨だしもうどっか適当に、といって駅前の居酒屋に入る。おしぼり、つきだし、ビール、そんで最近どーよ、という慣れ親しんだ展開で、お互いに文句つけあいながらずいぶん話をした。
なんかちょっとへこんでるときに、これやったら余計へこむな、っていうのは年をとるごとにだいぶわかるようになってきた気がするんだけど、どうやったら気持ちが晴れるのかの方法は定まらないまま、友人たちにずいぶん助けられてきたような気がする。
女性の会話って、結局共感を求めてるだけだよね、みたいな言葉を何度も見てきたし、そのたびにそれだけじゃないよなーって何か反論したい気持ちを抱えてきたけれど、その「いまはだめ」って部分をなんとなく共有することを共感というなら、私はそのなんとなくに感謝したいと思う。レシピに書かれた「適量」の具合がそれぞれ違うように、そのさじ加減をはかってくれるのが嬉しい。
もちろん、それは女性特有のものというより、気心の知れた友達ということなんだと思うし、私にそれができているのかというと疑問なのだけど、帰り道には、晴れたような晴れないような、でもとりあえず軽くなったのは確かな気がしていて、それがみんなも同じだったらいいなと思いながら別れた。