知らない

好きかどうかなんて見てみるまでわからないから、どんなのが好きなのときかれても、漠然としたことしか答えられない。白っぽいもの、青っぽいもの、いい天気、風呂上がりのジュース、楽しい音楽、エンドロールみたいな曲、食べ物なら固いもの、触るなら柔らかいもの、でも柔らかくておいしいとか言うし、冷たくて固いものに触るのも好きだ。そんなふうに迷い出したらきりがないから、とりあえず見てみたい。とか。で、実際見てみても自分がどう思ってるのかなんて、わからなかったりもするんだけど、例えばサラダに入ってるカリカリしたベーコンがそのサラダぜんぶをすばらしくしてしまうみたいに、急に焦点があうような瞬間っていうのはちゃんとあって、だいたいはそれを待ってる毎日なんじゃないかって思う。

今日は月がすごく近く見えた。夏に太陽が近くなるのはわかるけど、月はどんなとき近くなるんだっけって、もしかしたら小学生で習うようなことも、私はぜんぜん知らないなと思った。