イロドリミドリ/羽柴麻央

イロドリミドリ (マーガレットコミックス)

イロドリミドリ (マーガレットコミックス)

とてもよかったです。
はじめて読む漫画家さんなのですが、キャラクターの描き方も、絵柄も、お話のテンポもとても好みでした。
どことなく、いくえみさんぽい、とも思ったけどそもそも私いくえみさんをあまり読んだことがないので勘違いかもしれない。コマ割とかはちょっとくらもちさんぽい。あとがきの書き文字とかは冬野さんぽい、とか、いろんな影響が垣間見えつつ、でもこれは似てるっていうんじゃなくて、単に私の好みってことなんだろうなーとか思う。
特に好きだったのは表題作で、後半、ちょっと意外な展開になるのだけど、物語の重力に逆らってどちらにも振れない真ん中を選ぶようなラストがとても心地よかった。
その表題作だけでなく、この本に収録されている4篇、どのお話もラストの余韻が上手いなあと思いました。短編漫画ってラスト3ページくらいのリズムで大きく印象が変わってしまうところがあるけれど、そこまでの流れを損なうことなく、どのお話もけしてワンパターンではないまとめ方が、作者と物語との近さのように思えてとてもよかった。
これより前の作品も集めてみようと思います。